彼は考える
大切な人のことを考える
彼女はいつも笑顔で明るくて
強さと優しさを周りに振りまいて
だけど、そんな彼女は国のためにとても苦しんでいた時もあって
今も一人置いてきてしまって
ごちゃごちゃと考えるとちくちくと心が痛む
ずっと、守ってあげたいと思う
とても愛しくて、大切で
もうこれ以上彼女を苦しめたくないから
彼は今日も戦う
傷つけあう戦はあまり好きじゃない
けれど、今日も戦う
人を倒して倒して倒して…それでもまだ足りなくて
彼が仕えている王様も、とても優しいから
表面は取り繕っていても、戦争をする度に苦しんでいて
だから、彼は少しでも彼を助けたい
今、一人残してきた彼女も
国の皆も、友人も上司も部下も
守りたいから
今日も走る
皆のために、自分のためにと今日も走る
彼女も今、空を見ているだろうかと
空に瞬いている星を見上げながら
彼は先を急ぐ
すると風が横を通り過ぎて
彼女の声が聞こえた気がした
同じ空の下クラウから見た空は
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