「あちー」
太陽の光が窓から降り注ぐ、そんな中で茶色い髪をした青年がへばっている
近くには空になった容器
飲み物を一瞬で飲み干した彼は、現在こうやって床の冷たさで自分の身体を冷やしているのだ
といっても床も太陽の光が反射し、あまり意味はないように感じるが
「ゾーラ、そんなところで何してるの?」
と、そんな彼のところへ誰かやってきたようだ
彼はその青い瞳で誰かがやってきた方を見る
自分と同い年くらいの青年だ
金色の髪に柔らかく閉じられた瞳、ゾーラの荒々しいイメージとは対照的におとなしそうである
「こんなことしてたらピアに怒られるよ」
「あーそれは困るな…」
「そんなに暑いなら氷でも作ったらいいのに、例の魔法でさ」
「名案かも…でも、あれ攻撃用だぞ?」
「当てなきゃいいんだよ、加減もできるでしょ?
ひんやりしていい感じじゃない?」
と笑顔を崩さないまま青年は言う
「わかった……じゃあペリアは崩雨頼む」
ゾーラはそれに納得したのか、宙に指を踊らせる
一瞬で目の前に魔法陣が現れ、彼は口を開きその魔法を使うための言葉を紡ぐ
隣ではペリアも同じようにして魔法陣を描いている
「求めるは水雲>>>・崩雨」
「求めるは氷神>>>・浮凍」
ペリアの魔法陣からは勢い良く水が溢れだす、それは高く宙に舞い、きらきらと輝いた
対してゾーラのものからは冷気が溢れ、崩雨で発生した水を瞬く間に凍らせる
辺りは出来上がった氷で冷え、一気に気温が下がった
「ホントだ、これ便利だな」
「ちょっと寒過ぎた気もするけど、多分大丈夫じゃないかな?」
ペリアはピアも呼んでくる、と部屋を出ていった
ゾーラは改めて自分達で作り上げた氷の塊を触り
「さすが俺が考えた魔法だな!」
なんて得意げに胸を張ってみた
だが、翌日彼は自分の魔法のせいで、乾いた汗に体温を奪われ風邪を引いたらしい
俺の魔法まさか自分にやられるとは…
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