空に花びらが舞う
それは光を受けて白く輝く
普段は桃色なのにその時だけは淡く透けるのだ
ひらひらと花びらが落ちてくる
白い肌に青い瞳、無類のだんご好きのフェリス・アリスは桜の木の下でもぐもぐと口を動かしていた
腰まで伸ばしている金の髪を今日は後ろで結いあげている
それは現在着ている着物にあわせてセットしたもので、今日の花見のためにこうやって用意してきたのだ
「遅いな」
そんな彼女は自分で出したお茶をすすりながら、だんごを食べる
桜が舞い散る中でのそれは、大変絵になっている
彼女はシオンの提案でここにやってきたのだ
皆でお花見をするというからここにやってきたのだが
先程彼女が口からもらした通り、自分が一番についてしまったようで
だからこうやって静かに待っているのだが
ここに来てからしばらくたつが誰も来る気配がないのだ
フェリスは少し眉を動かし、上を見上げた
花は見事に満開で、それはそれは美しかった
「ふむ、たまには花も悪くはないな」
そう言って再びだんごを頬張った
と、その時後ろから足音がする
どうやら待ち人がやっときたようである
フェリスはすっと立ち上がって後ろを振り返った
やってきたシオンとライナは思わず目を細める
それは桜よりも一際輝く彼女が眩しくて仕方なかったから
思わず見とれてしまうほど美しく…
「ったく、適わねぇよなぁ」
ライナが小さくそう呟いた
美しいのはどっちフェリス様です
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