「ふあ〜春ってぽかぽかして眠いよな…」
黒髪に黒目、万年眠たがりのライナ・リュートはぐっとのびをした
今日はかなり暖かく、外で日を浴びながら寝るには丁度よい
「まあ大体俺がこうやって寝ようとすると誰かくるんだけどさ…」
ライナはごろんと横になりながら、そう言った
下の草が頬をちくちく刺して何だかくすぐったい
「ライナ!」
と、そこへやっぱり彼の予想どおり誰かがやってくる
だが今回は極悪非道の王様やだんご娘ではないらしい
「あれ、ミルクじゃん」
「えへへ〜見て!」
亜麻色の髪を後ろで結んだ幼い顔立ちの少女、ミルク・かラードはその場でクルリと回転した
「えっと…」
「もう〜これ!服が違うんだよっ!」
「ああ」
なるほど、と言われて気が付いた
彼女はいつものような忌み破り隊の服ではなく、可愛らしいピンクのワンピースを着ていた
「似合いすぎててわかんなかったよ」
「ホント?嬉しいな〜♪
一番に見せに来てよかった!」
「んあ?あのルークって奴が一番先じゃねぇの?」
「違うよ〜ライナだよっ」
寝転ぶライナの隣に腰掛けながら、ミルクは楽しそうに笑った
「そか……あ〜…よければ隣で寝れば?」
「えっえっいいの?」
「まあ俺も寝るけど」
「じゃあ…」
ミルクもごろんと横になった
空は高く見えて、日差しもきらきら二人を包んだ
その中ですぐに二人は眠りに落ちる
しかし、しばらくして傍を通りかかったルークにより、二人は起こされたのであった
だけどそれはまた、別の話
ぽかぽかした日にはたまにはこの取り合わせもいいね
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