「隊長〜」

遠くから自分を呼ぶ声が聞こえる

彼が呼んでいる

「今行くよー!」

亜麻色の髪をした、幼い顔立ちの少女、ミルク・カラードはじっと見詰めていた花壇の花から顔を上げた

きっと自分を呼んだのはルークだ

今は丁度お昼時、皆で食べようと声をかけてくれたに違いない

今日のご飯は何だろう、なんて思いながらミルクは彼の元へと向かった

彼女は忌破り追撃部隊というところへ属している

そこの小隊の隊長を務めるほどの実力者

ルークもその部隊の一員で、皆のお母さんのような、そんな存在

皆仲良しで、協力し合って、笑いあって、毎日過ごしている

ミルクは幼少の頃から厳しく、辛い日々を過ごした

ルーク達もそう

でも。彼女は世間のことを何も知らなくて、何にでも矯味を持って

そんな彼女のことが部隊の皆は大好きだった

守りたいと思った

彼女は自分達が守るのだと、そう決めて

そして彼女はライナ・リュートのことが好きなのだ

昔約束したことは、今でも忘れない

「また会いたいなぁ…」

募る気持ちも、彼女は彼のことを考えただけで幸せなのだ

「隊長、今日はカレーですよ」

「カレー!?ちょうど食べたかったの!」

ルークはそんな彼女を見ているだけで心が温まる

大好きなんだなと思う

決して彼女の前ではそれは言わないけれど

それはちゃんと伝わっている

ミルクはにっこりと微笑んだ




大切な君へ
彼女のためなら何でもしますよ







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