「ライナ、あけましておめでとう〜!」

「………」

「ライナ?あけましておめでとう!」

とある一室

銀髪金目の青年、シオン・アスタールが、黒髪黒目の眠たそうな青年、ライナ・リュートへと楽しそうに笑いかけていた

しかし、笑顔のシオンとは裏腹にライナは大変不満そうである

「ねぇ、何で返事してくれないの?」

「お前さぁ」

「おっやっと答えてくれた?」

「何で年越しも仕事なわけ?」

「あれ、嫌だった?一緒に年越し」

「嫌っていうか、まぁ誘いに乗ったのは俺なんだけど…これはあまりにも」

酷ぇ、とライナは言う

確かに言われたのだ、今朝シオンに一緒に年越ししよう、と

まぁ毎度のことながら疑ったのだが、思わず了解してしまった

それが運のつき

現在は年越しどころではなく、仕事におわれている

しかも一行に終わる気配はないのだ

でもどうやら、年はあけたようで

城の外はがやがやとしていて

「まぁいいけどさ…終わったらフェリスと一緒においしいもの食べようぜ…」

ちょっとそれが羨ましかったライナだが、気を取り直す

親友と一緒にいられる時間を、少しでも大切にしたい

だから仕事も手伝うのだ

「シオン」

「うん?」

「あけましておめでとう」

そして、ライナはそう言ってふわりとあくびをしたのだった




彼らの年越し
あけおめ!







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