ドアを開けると目の前に大きな箱があった
丁寧に【プラナス様へ】とメッセージがついている
プラナスは立ち止まってその大きな箱をじっと見つめた
何となく中身は予想がついている
しかも、ぶつぶつと箱の中から声が聞こえるのだ
「プラナス様は蓋を開けてくださるでしょうか…わたくしが入っていると知ったら……ふふ、きっと喜んでくださるはず…!プレゼントはわたくしです!と言ってみたかったのです
…しかしクダリが開けたらどうしましょうか…?いえ、そんなことにならないように時間を調整したのですから…」
プラナスはため息をついて、そっと箱に近づいた
そして、かぱっと蓋を開け…中身が予想どおりだったのですぐに閉じた
「プラナス様中身はわたくしでし……おや蓋が閉まっている?プラナス様?そこにいらっしゃるのですか?なぜ蓋を閉め……開かない?蓋が開かない!?」
箱の中に入っている黒い車掌はがたがたとそれを揺らした
プラナスは手で思い切り箱の蓋を抑えつけ、仕舞にはボールから出したキノガッサのきのたんとともに上に乗っかっておいた
一番重たい自分の手持ちを出さなかったのは、ちょっとした情けである
「ちょっとお待ちくださいまし!ここから出してください!プラナス様?プラナス様…っ…!」
ノボリは少し焦ったように箱の蓋をとんとんと叩いた
「ノボリさん」
「プラナス様…?は、はい」
「プレゼントはノボリさんなんですか?」
「プレゼント…そうです、閉じ込められてすっかり忘れかけていましたが…プレゼントはわたくしです!」
「そうですか」
プラナスはそう言ってぴょんと蓋から飛び降りた
「い、一時はどうなることかと思いました…」
直後、ノボリが箱を開けてほっと胸を撫で下ろした
プラナスはそんなノボリの方へくるりと振り向き
「プレゼントなノボリさんは、何をしてくれるんですか?」
楽しそうに笑う
「わたくしとしては、プラナス様に美味しくいただかれるのもありかと…」
「却下」
「……お出かけしましょうか」
そして、嬉しそうにノボリの手を取って「はい」と頷いた
ノボリは愛おしそうにプラナスの手をぎゅっと握り返したのだった
プレゼントは
万更でもないプラナスさん
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