お風呂からあがりのんびりソファに座っていると、後ろから誰かがやってきた

こののんびり歩いているようで早足に聞こえる足音は、振り向かなくとも彼女には誰だか一発でわかる

「プラナス様…」

耳元でその人物の声が聞こえた

ふっと耳に息がかかり、ぞくりとする

しかし彼の声は酷く心地よく自分の耳の中へするりと吸い込まれた

そのまま後ろからぎゅうと抱き締められ、風呂上がりで熱かった身体がさらに熱くなるのがわかった

「の、ノボリさん…」

「はい、なんでございましょう?」

「苦しいです…」

「わたくしは苦しくありません…」

ぎゅうと腕に力がこめられた

プラナスはしばらくばたばたと手足を動かしてみたが、どうやらノボリは離す気がないようだ

あきらめておとなしくすることにする

「クダリさんは…」

「明日早いからと既に就寝しております」

「そうですか…」

この家には三人で住んでいる

プラナスとノボリとクダリ

ノボリとクダリは双子で、プラナスとノボリは夫婦である

彼女とノボリはひょんなことから過程を踏まずに結婚した

まあ色々あったのだ

いつの間に回り込んだのか、ノボリはソファに座り、プラナスは彼の膝の上に抱き抱えられている

「抱っこは恥ずかしいです」

「いいではないですか…プラナス様温かいです…」

「いや、あの…年を考え……ん…」

今までよりもさらに強い力で抱き締められた

思わず声がでなくなる

「今は…少しこうさせてくださいまし…」

さらりと髪をすくわれた

相変わらず耳元で囁かれ、恥ずかしくて身動きがとれない

「…ちょ……ちょっとだけですから…ね」

仕方ない、プラナスはくるりとノボリの方を振り向き、背中に腕を回しておいた

彼の心臓の音がやけに大きく聞こえた





熱くてたまらない






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