どさりと目の前に何かが置かれた

見れば水着である、しかもスクール水着で旧型

プラナスは一度それを手に取ってから床に投げ付けた

「ノボリさん…」

そして目の前に立っている黒い帽子に黒いコートの長身の青年を見上げた

「…プラナス様が…プールに行きたいとおっしゃったので…」

「ええ、確かに言いました…お昼に暑いからプール行きたいって言いました…けど、どうしてこのチョイスなんですか…!」

「に、似合うかと…思ったのです…」

いつかの服をたくさん持ってきたときと同じような台詞で、ノボリは淋しそうに頭を垂れた

プラナスはちょっと罪悪感を覚えたものの、やはり向こうも向こうで悪い気がする

しかし、彼が毎回自分を見る目が熱っぽいのだが、これは何なのだろうか

「わたくし…プラナスと一緒にプールへ行きたいです…」

「仕事は…」

「今日は半日ですから、これからは暇なのです」

ノボリはそう言ってさっとビニールバッグを取り出した

ちゃっかり三人分の水着とタオルが入っている

さっき投げ付けたスク水もいつの間にか床から消え、おそらくはノボリが持っているバッグの中

「私……公の場でスク水は…」

「ですがこれが一番プラナス様に似合うのです!」

「かっこつけても色々間違ってますからね!」

キリッとかいう効果音が聞こえそうだが、やっていることは残念な感じである

「着てくださいまし?」

「ましられても…」

「冷蔵庫にアイスがありますよ」

「………帰ってきたら頂きます」

結局、頭でわかってても折れてしまう

自分は何だかんだ言って、ノボリに甘いんじゃないかと思うプラナスであった

三人でわいわいした後のアイスは冷たくてほろりと溶けておいしかったとか





スク水でプールサイドに行ったときのノボリさんの喜びようといったらもう






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