「聞いたよ、君達いちゃついてたんだって?バトルの真っ最中によくやるよ」

「あたし、それ聞いたときびっくりしちゃたぁ…心配したんだよ?」

「ごめん…だってトウコがあんなこと言うから…」

「何?わたしのせいなの?」

ずっとずっと同じ時を過ごしてきた仲間が身を寄せあっている

話は先日起こった事件について

詳しく聞かせろと双子が呼び出されたのだ

かちゃりと眼鏡を指で押し上げて、チェレンは一人一人の顔をじっくりと眺めた

彼らは幼なじみで、同じ街で育ち、同じ日にポケモントレーナーになり、初めてバトルをして、旅に出た

それからたまに会ってはお互いの成長を確かめあい、それぞれの道を進んでいる

彼らの関係はずっと変わらない

幼なじみでライバルで親友、揺るぎない絆がある

そんな彼らは、わいわいと他愛無い話をしながら盛り上がっているのだ

「まだゼクロムはトウヤのところにいるのかい?」

「うん、ぼくを選んでくれたみたい」

「でも、結局Nとトウヤは決着つかなかったんだよね?」

「そうなの…わたしが割って入っちゃったから…」

「ええ?じゃあNと決着つけたのは誰なの?」

「プラナスっていう、女の子だよ
ベルも城の入り口で会っただろう?緑の髪の」

「ああ!あの子かぁ…!あたし、もっと話してみたかったなぁ…」

ベルはあの時トウコと一緒にいた小さな少女を思い出す

「今度紹介してあげるよ…というかギアステーションに行けば会えると思うよ」

「ギアステーション?」

「ほら、電車の中で戦うあれだよ…バトルサブウェイ
ベルも一度ボクと行っただろ?」

「あっ電車かあ!プラナスはそこで働いているの?そういえば、隣にノボリさんとクダリさんもいたもんねぇ」

ぽんと手を打って、ベルは納得したように頷いた

「Nがいなくなっちゃって、ちょっと淋しいね」

「トウヤとトウコはよく絡まれていたから、特にそうだろうね」

「不思議な人だったよねぇ…また会えるかなぁ?」

「わからないけど…きっと会えるよ」

トウコは青く青く広がる空を見上げた

彼とはトウヤが変な努力をしたせいであまり話せなかったけど、元気にしているだろうか

近くにいて、プラナスと彼が話していることを全て聞いてしまった身としては、ちょっとだけ心配だ

「きっと、いつの間にかひょっこり戻ってくるさ…まあそれでもぼくはトウコに近づくことを許さないけどね」

「相変わらずシスコンだな」

「トウヤらしいけどねぇ」

そんなことを言いながら、三人もトウコと同じように空を見上げる

雲がゆっくりと動いて、山や木の陰に隠れていく

一体彼はどこにいて、何をしているのだろうか

わからないけど、いつかきっと彼は戻ってくる、そんな気がした

だって空は繋がっているのだから

同じ空の下で、また会えるよ




から始まる▲▽生活.B01
幼なじみ達のある日






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