「プラナス様」

「わっ…ノボリさん?」

「申し訳ありません、ノックはしたのですが」

プラナスが自分の部屋でごろごろしていると、急に誰かが入ってきた

声を聞けば誰が来たのか一発でわかるのだが、振り向いてみるとやっぱりというか、全身黒い服の彼

まあ彼とその双子の兄弟と共に住んでいれば、自然と顔をあわせるのは当然といえば当然なのだけど

「どうかしましたか?」

「ええ少し……隣よろしいでしょうか?」

ノボリはプラナスのベッドに腰掛けた

いつも彼の部屋に呼ばれる側なので、ちょっと新鮮である

「今日は大変でしたね」

「びっくりしました、何をしたかったのでしょう…」

「彼らなりに考えてのことなのでしょうが、少しいただけませんね」

「解放せよ、ですか…」

「そうです…彼らがそれを掲げているのに、クダリに攻撃した…これは、矛盾していると思いませんか?」

プラナスは思わず顔を伏せる

クダリが傷ついたのは自分を庇ったからなのだ

自分があそこにいなければ、こんなことにはならないかったのに

「ごめんなさい…」

「プラナス様が謝ることではございません…それにダブルトレインを止めたのはプラナス様ですから…」

ノボリはプラナスの手の上に自分の手を乗せた

手袋をしていない彼の手は、とても暖かくて

「プラナス様が止めてくださらなければ、わたくしもクダリも危なかったでしょう…」

「でも…」

「よいのですよ、気になさらずとも…ああ、そうでしたプラナス様両手を」

「?」

ノボリは思い出したかのように何かを取り出した

そして何事だろうと首を傾げるプラナスの手のひらにそれを乗せる

「タマゴ…」

「はい、今回はわたくし、プラナス様の傍にいられませんでしたから」

「えっと…?」

「わたくしの好きなポケモンのタマゴです
よろしければ近くにおいてやってくださいまし」

わたくしだと思って、というのはあえて伏せておいた

「いいのですか?」

「もちろんです」

「わぁ……!」

プラナスは嬉しそうにタマゴを抱き締めた

するとタマゴにぴしりとひびが入り、ぱりんとタマゴが割れた

中からろうそくのようなポケモンが飛び出す

「かっ…可愛い…!」

「なんと…」

「この子、ノボリさんの」

「ええ、成長するとシャンデラになります、ヒトモシといいます」

「ヒトモシ…!」

プラナスは先程と同じようにヒトモシをぎゅうと抱き締めた

とても暖かくて気持ちがいい

「明日から育てます!ばっちり育てます!」

「わたくし、成長を楽しみにしておりますね」

「ヒトモシ、モシモシモシモシ♪」

ぎゅっぎゅっとプラナスが再び抱き締めると、ヒトモシも嬉しそうに擦り寄った

「ああわたくしもぎゅうとしてほしいです…」

「えっ?」

「いいえ、何でもございません」

その光景を見て、ノボリはわざとらしくそんなことを言ってみたがプラナスに軽くスルーされる

それがちょっと悔しかったので、後からきつく抱き締めておいた




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子供体温万歳ってなったのは内緒です






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