かりかりと室内に音が響く
見れば白い車掌服に身を包んだ男性が凄い勢いで書類を片付けていた
「僕、机上の仕事嫌い
でもやればできるもん…」
いつも向かいの席で仕事をしている双子の兄は今日はいない
午後から休みをとって帰ってしまったのだ
恐らく、彼は自分の妻であるプラナスに会いに行ったのだろう
プラナスは、ここイッシュではない土地からやってきた少女だ
見た目は幼く、とても大人には見えないのだが17歳らしい
自分とそっくりな兄、ノボリは彼女にお熱である
しかし彼と彼女では身長や体格差が否めない、ちょっと犯罪ぎりぎりなんじゃないかとクダリは感じていたり
だが面白そうなので言わない
「プラナスかあ…」
最近、クダリはちょっとだけ彼女が気になっている
最初は妹のような感覚だったが今はなんだか違う
「う〜…僕どうしよう」
筆を休めて考える
だけどうまく考えはまとまらなくて
「僕ノボリが幸せなら幸せ…プラナスが幸せでも幸せ…難しい…」
ぶつぶつ呟きながら、再び紙にペンを這わせた
「まあいいや!今はこれおわらせてノボリにアイス奢ってもらわなくちゃ!」
そしてまた凄い速いスピードで書類を片付け始めたのであった
Aから始まる▲▽
生活.S11
その頃クダリさんは…っていう話
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