誰もいない暗闇に何かが浮かび上がる
それはとても大きく、そして何者をも寄せ付けない
しかし、それにゆっくりと近づく小さな影がある
影はその大きな何かに触れ、伏せていた顔をふっと上げた
「もうすぐ、ボク達は目的を達成する」
『………』
「そうだね…ボク達はトモダチを救うんだよ
ボク達には変えるべき未来があるのだから」
『………』
「問題ない…トモダチを救うために集った人々も、ボクが守るよ」
そう言って、遠くを見つめるように彼は目を細めた
相変わらずその目に光はなく、何を考えているか読み取れない
『………』
「うん…そうだね、彼女とはまた話をしたいと思っているよ
どうやら、ボクと彼女は切っても切れないようだからね」
Nは先程地下であった少女の顔を思い浮べる
「今日は言い損ねてしまったけど、やはり彼女とも……彼女のトモダチとももう一度話がしたいな」
『……』
「凄く興味あるよ、うまくは言えないけどね
彼女もまた、不確定要素かもしれないね……トウヤ達のように」
『…………』
「勿論、わかっているよ…ボク達は共に歩むのだから……行こう」
彼女は今、何をしているのだろう
そんなことを考えながら、彼は白いドラゴンと共に飛び立った
Aから始まる▲▽
生活.S08
ゆっくり動いているようですね
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