大蛇丸が殺された、と風の噂で聞いてからうちはサスケがこの北アジトにやって来るのにあまり時間は掛からなかった。水月っていう変な男を連れて、香燐ちゃんを仲間にしにきたと言う。最初は嫌だ嫌だと言っていた香燐ちゃんだっただがどうやら一緒に行くことになったらしい。うちはサスケは何で香燐ちゃんを連れて行くのとか、うちはサスケの目的とか、なんであの重吾を仲間にするのかとか、私には興味無かった。だから長い間監守を一緒に任されていた香燐ちゃんがこのアジトを去るってことになっても笑って元気でねって言えた。私はここの人たちのお守り頑張るよ。ま、大蛇丸が死んで監守する意味があるのかって感じだけど。

うちはサスケたちは私に背を向けて歩き出す。香燐ちゃんの赤い髪の毛は綺麗だなぁ。水月って人ひょろひょろなのにあんな刀持って死なないのかなぁ。とかどうでもいいこと考えてたらうちはサスケが振り向いた。香燐ちゃんもこっちを見てちょっと怖い顔をした。うちはサスケが香燐ちゃんの制止を無視して私の前に来た。彼の黒い瞳を見つめる。まるで闇みたいと思った。


「お前も来い」
「どうして?」
「俺の復讐の為にその力が必要だ」
「嫌」


どうして私があんたの為にこの力を使わなくちゃならないの。真っ平ごめんよ。きっと香燐ちゃんが話したんだろう。私は血継限界を持ってるから、多分使えるって思ったんだ。自分は素敵な眼を持ってるっていうのに。


「私、強制って好きじゃないの。それにここを離れる気はないから」
「俺の目が黒い内に頷かないと身を滅ぼすことになるぞ」
「うちはサスケは私の力を借りなくたって素敵な眼を持ってるじゃない」
「更なる眼にするためにお前が必要なんだ。拒否は認めない」
「嫌よ」
「なら無理にでも来てもらおうか」
「だから………」


しつこいよ!言おうと顔を上げた瞬間にはもう目の前に顔があって、目と目が合わさった。。

意識が遠退く。これが、幻術。最後に見たのは口元を僅かにつり上げるうちはサスケと、彼の真っ赤な瞳。

まるで血のような赤を、不覚にも綺麗だと私は思ってしまった。



赤に魅せられて


110913
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