※捏造 この世には尾獣と呼ばれる妖魔が存在する。一尾なら一本の尾を、九尾なら九本の尾を持っていると云う。それは莫大なチャクラの塊のようなもので、尾が増えるほどその力も増してゆく。その九尾が、ナルトに封印されたのは彼が産まれた十六年も前の話。 暁に狙われるようになってからというものの、暁により木の葉の忍は数えきれぬほど命を落としていった。自分も今こうして生きているのが奇跡なんじゃないかと思うくらい、戦いの被害は甚大だった。 これは木の葉としても国としても何とかしなくてはならない大きな問題となり、里にはこれ以上手は出さない代わりに、暁からの交換条件が出た。 ──九尾を渡せ── 考えに考えて火影様が出した決断は、ナルトを暁に引き渡すというものだった。 「何故です!火影様ッ!」 「落ち着け名前」 「これで落ち着いてなんかいられるか!」 今にも殴り掛かりそうな私の肩をカカシ先生が掴む。拳がわなわなと震え、目からは大粒の涙がいくつも流れ落ちた。 「ナルトに助けられたはずなのに貴女はナルトを見殺しにするんですか…っ」 「………」 「名前止めるんだ」 「カカシ先生もそれでいいって言うんですか…!」 そう叫んだ私から目を逸らすカカシ先生に更に涙が溢れる。もう戦う意志を無くした彼らに何を言っても首を縦に振ってはくれない。なんでなんでなんでなんで。なんでナルトなの。尾獣を抜かれた人柱力は死んでしまうのに、なんで簡単に渡してしまうの。 「これしか方法はないんだ。分かってくれ」 「火影様…どうして…」 「ナルト一つの命で里が救えるならより少ない死傷者で済む。最善の方法だ」 国の大名や相談役の方々、それに火影様もカカシ先生も、一体何を言っているんだ。ナルトの命一つで本当に救えると思っているの? 「…私には、みんなが守ろうとしているこの里に、その“ナルトの命”を使う価値があるとは思えない」 「いい加減にしろ!これは火影命令だ」 「じゃあ火影様はこの戦いで失われた命やこれから助かろうとしている命より、ナルトの命のが軽いと、そう仰りたいんですか!?」 「!!」 「ナルトの命とみんなの命を天秤に架けても片方に傾くことなんてあるわけがないのに!」 「…」 「ナルトが死ななきゃ助からないような世界なら」 止めどなく流れる雫をもう拭いもしなかった。あまりにもナルトが可哀想すぎる。こんな里を救うためにナルトが死ぬんだったら、 「こんな世界、いらない」 私がこの手で世界を終わらせてやる。 そうすれば私たちは本当の本当に救われると思うの。 そ し て 世 界 が 呼 吸 を 止 め た title / たとえば僕が 110829 ナルトが出てきませんでしたね←ぁ 火の意志のワンシーンのナルトの台詞を言わせたかっただけですごめんなさいww |