すらっとした長い綺麗な足。クリーム色のふわふわとした髪の毛。傷ひとつ無い白い肌によく映える真っ赤な唇。大きな目に長い睫毛は人形みたいに思わせる。極めつけには花のような笑顔。それらのどれもが俺を今日も魅了させる。それ以前に名前という人物自体が俺の視線をバッチリと捉えて放さない。


「今日も可愛いぜ…なんであんなに可愛いんだ」


アカデミーからずば抜けてモテていた名前は男子だけでなく、その明るさや人懐っこさで女子からも絶大な人気を誇っている。まあわからなくはない。だって名前は誰にでも平等に接するし、常に笑みを絶やさない奴だから惹かれる奴もいっぱいいるんだ。それにしてもまじ可愛いぜ。こっち向かねーかなぁ。


「おいキバ。おまえ何見てんだよ?」
「シカマルか。何って名前に決まってんだろ」
「んな堂々と言うことじゃねーよ」
「シカマルはあんま見んなよ。見ても良いが絶対惚れんなよ」
「めんどくせー」


目は名前から放さずにシカマルと会話を続けていれば少し離れた位置にいる名前と目が合う。途端に顔を真っ赤にさせて目を逸らされた。なんだなんだ。あの反応は。一緒にいた女子に肘でつつかれたり肩を叩かれたりして、一歩前に出た名前は、真っ赤な顔のままこっちに近づいてきた。
こんな反応されたら勘違いしちまう。つーか、期待してもいいのか?だって見ろよこの赤い顔。…すっげ可愛い。…じゃなくて、明らかに“好きです”って顔じゃねぇか。


目の前に立った名前に、ニヤける顔を隠すのに必死な俺。シカマルが隣で呆れてるがそんなん無視だ。


「キッ、キバくん、」
「お、おう」
「わたし、キバくんに言いたいことがあるの!」


きたかもしれない。これは確実に告白ってやつだ。シカマルを見れば面倒臭そうにどっか行った。俺はまた名前を見た。


「何だよ」
「キバくん。あ、のね!」
「お、おお」


チャック開いてるよ!


「…」


バタバタと女子の群れに戻っていった名前の後ろ姿を見て茫然とする。なんだ、今の。俺…めっちゃ恥ずかしいじゃねーか、いろんな意味で。
群れに戻った名前が、女子たちとしていた会話など知る由もない俺は、机に項垂れるのだった。



勘違いの成れの果て


おまけ
(ばか名前!言うことが違うてしょ!)(そうよ!好きって言えばいいのになによチャックって!)(チャックの一つや二つ開いてたって男は困らないのよ!)(ごごごごめんなさい!!)(さっ!また行くのよ)(えーー!)


110829
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -