09

「また違うクラス…ッ!」
「ありゃー」


私たちは二年になった。
今年も涼太と同じクラスにはなれなかったが、去年と違うのは隣のクラスになれたということ。それには涼太も素直に喜んでいたけど淋しいのには代わりないらしく落ち込んでいた。






「今年は青峰と一緒ですか。アホ峰と」
「名前。てめぇはそろそろ俺にぶん殴られたいらしいな」
「暴力反対!あイタッ!!」
「デコピンだけで済んだことに感謝しろよ。本当だったらあれだぞお前。前歯何本かイッてたぞ」
「そりゃマズい」


新しいクラスに着けば既に青峰は席に座っていて私もその横に腰掛けた。ちなみに黒子くんも同じクラスで涼太とまた離れてしまって寂しかった私としてはテンションが上がる。
女の子数人からはいつものように冷めた目で見られつつもも初日に何人かと友達になれた。もちろん涼太に興味のない子と、だけど。


「おはようございます。青峰くん、名字さん」
「おう、テツ」
「おはよー!一年間よろしくね黒子くん!」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」


黒子くんは半年前くらいに赤司くんに特異の力を見出だされて一軍のレギュラーとして昇格してきた。一時は部活を辞めようとしたらしく、そうならなくて済んだことに私は安堵した。
今では部活後に青峰と自主練をしていたからなのか、彼とのバスケの相性は抜群。黒子くんは青峰を光と称し、自らを青峰の影だと言った。影は光が強いほどその白さを際立たせる。だから、自分は青峰を輝かせる脇役だ、と。
事情の分からない私は適当に相槌を打っていた。ただ、黒子くんのマネジが出来ることが私は嬉しかったのだ。
と言っても一軍に来たのは私のが後ですけど。


「何ニヤケてんだ?」
「ニヤケてません。にこにこしてるんです」
「どこが?」
「…(イラッ」


青峰と私は喧嘩仲間…というかふざけ仲間です。お互いに貶し合ってます。でもコイツのバスケは素人の私から見てもまじカッケーと思う。中身はあれだが外見もまあ悪くないしそこそこモテるらしい。
でも無類の巨乳好き。まず女の子はおっぱいに目が行く。私はそんな青峰によく貧乳と言われます。大きくする方法教えてやろうかと真面目な顔で言われたことがあるけど(あの時の青峰の同情した目は忘れない)青峰がその方法を知ってることに恐怖すら覚えた。まじドン引いたわ。


「見てろ青峰。さつきみたいになってやっからよ」
「お前貧乳だもんなー」
「このおっぱい星人が!」
「うるさいです二人とも」


静かにして下さい。

よし。黒子くんに叱られたから黙ろう。



「やっぱ耐えらんないっスーー!」
「よしよし」
「…あんま寂しくなさそう」
「私も寂しいよ」
「名前…!」
「ぐえっ。苦しいよ涼太ぁ…」


そしてすぐ抱き着くのやめてくれ。目立つから。チクチク。視線がイテェ。


12'0928
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