恋人設定/ヒロイン死ネタ


この空間を色でたとえるなら、白だと思う。だからなのか窓から見えた空が外で見るそれより、より一層青い。少し開いた窓から入ってくる風がベッドで眠る名前の前髪を揺らした。

前に来た時よりも痩せただろうか。三日前に訪れた際に、最近は食欲がないから食事もろくに摂っていないと言っていたのを思い出した。腕に刺さる点滴の針が、痛々しい。


生まれつき心臓に病を抱えた名前が18まで生きれたのは奇跡に近いと医者は言う。名前の病気はいつ病状が悪化しても可笑しくなかった。

彼女の病気を治す方法は今の医療技術には存在しない。ただ決められた運命を待つのみ。どんなに医療が発達していようとも、治せない病気だってある。

医者に罪はない。だけど現実を受け入れるには俺たちはあまりにも弱すぎた。



それが運命というのなら

逆らうことは、きっと出来ないのだろう。


110906
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