総司と永遠の別れを遂げてから、もう一月が経つ。あの7日間が嘘のように、私は以前と変わらぬ日々を取り戻していた。ふたりが当たり前だった部屋も、今ではひとりが当たり前になって、ふと寂しくなる時もある。二度も総司を失った私はに、これから生きてゆく希望がどこにもなくて、彼の後を追おうとした私を、平助が止めてくれた。平助と大学で会ったあの日、総司は平助に私を頼むとお願いしていたと聞いた。そして、私には笑っていてほしいということも聞いた。原田さんや永倉さんも心配して家まで来てくれたし、土方さんも電話をくれた。千鶴はただ黙って一緒にいてくれた。平助は、これが総司が望んだことだ。死のうとなんてするな、考えるな!と泣きながら私を怒ってくれた。年下に説教されて、私も駄目だな、なんて思った。私は総司に、自分の分まで生きて欲しいという願いを託されたのに、なんて馬鹿なことを。私は両手で顔を覆って泣いた。総司がいないのが悲しくて、でも、彼らの優しさと厳しさが嬉しくて涙が止まらなかった。


――


一ヶ月ぶりに訪れたお墓。彼はここで本当の眠りについた。これで、やっと彼に夢を見させてあげられる。もう苦しまなくていいよ。やっとゆっくり眠れるね。私、命を粗末にしたりしないら。総司に生きてって言われたからってわけじゃないけど、総司のために、総司の代わりに私が生きる。そう決めたの。こうやって決断出来たのも、平助を始めみんながいたからだよ。貴方が大好きだった人たちのお陰。

あと、私がここに来た時に、さいとうはじめくんって名前の男の人がお墓参りにきてたよ。総司の幼なじみだったんだってね。私、初めて知ったよ。今回不思議な出来事を話したらはじめくんは、そうか、やっと眠れたか、って言ってた。それでアンタが名前か?って。はじめくんの夢によく総司が出てきて私の名前をひたすら呼んでたけど、一ヶ月前くらいの夢で、ただ笑顔で総司は立ってたんだって。不思議だね。

あ、まあ話はそれちゃったけど、私はちゃんと笑えてるから、心配しないでゆっくり休んでよ。それで、天国から見守っててね。来世は幸せな日々でありますように。



暖かい風が吹いた。貴方の匂いがした。



貴方が笑った気がした

(ねえ、総司。たった7日だったけど、確かに二人、愛し合ったよね?)

(―――うん、そうだね)


心から貴方に、永遠の愛を


110408
これで完結です。ここまで読んでくれてありがとうございました^^少しでも皆様の心に残る作品でありますように
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