※注意










秀吉様の天下統一を見届ける事無く不治の病でこの世を去った半兵衛様。余りにも早過ぎるその死に誰もが悲しんだ。男性にしては細すぎる彼の身体は大阪城から一番近い静かな森に埋葬した。どうか来世ではお幸せに、と願わずにはいられなかった。涙が静かに頬を伝った。


だが軍師を失った豊臣に更なる不幸が訪れた。

我らが主君、秀吉様の死。聞けば相手は同じ豊臣の傘下だったという徳川家康だと言うじゃないか。
私達は怒り狂った。絆を掲げる奴が、私達の絆を奪ったのだ。亡き秀吉様に家康の首を捧げなければ気が済まないと三成は自らが大将となって近隣国と同盟を組んでいった。


「秀吉様、半兵衛様、貴方方の死を無駄にはさせませぬ。必ずや、家康の首を捧げて差し上げます」


並んだ二つの墓は、せめて半兵衛様の横で御一緒にと三成と共に構えた墓石だった。
地面に突き刺した刀を抜いて大阪城へ戻る。いよいよ、我ら西軍と奴ら東軍との決戦の時が来た。我々の目的は家康の首をあの御方達に捧げる、ただそれだけ。




血生臭い臭いが辺り一面を包み込む。悲鳴を上げる両足を叱咤して彼の元へと走った。刀は刃こぼれが酷くてもうこれ以上保ちそうにない。あそこを登ればきっと、奴を倒した三成がいる、


「三成!……みつ、なり?」


そこには倒れた家康と、それを見下ろす三成がいる、はずだった。だが倒れているのはどう見ても三成で、側に立っているのは憎き家康で、


「ッ家康!貴様、三成までも」
「おぬしは…名前殿か?」
「答えろ家康!秀吉様の命を奪ったお前が、三成の命までも奪ったのか?!!」
「平和な世にする為にはこうするしか無かったんだ!分かってくれ、名前殿」
「これが…これが、貴様の言う平和な世だと言うのか!!」
「名前殿!」
「黙れッ!」


家康に刀を振り下ろす。
何も、聞きたくなかったんだ。もうこの戦の結果が見えてしまったから。今までやって来た事は全て杞憂だったと言うのか?最初から結末は決められていたと言うのか…?
弾かれる刀、体に激しい衝撃。そのまま地に倒れる身体。動く事が出来ない程に私の身体はボロボロだった。


「ワシは、三成と分かり合えたら良いと思っていたんだ」
「…んな…綺麗、ごと」
「いや、本当だ。後の事はワシに任せろ」
「最後、に…三成のかおがみたい」


ふわり。身体が浮いて三成の顔が見えた。ねえ三成、負け戦だったかもしれないけど、足掻いて足掻いて足掻いて、わたしたち頑張ったよね。きっと秀吉様も半兵衛様もほめてくださるよね。みつなりお疲れさま、もうゆっくり休むといい。わたしもすぐにそっちにいくから。わたしたちはしぬけれど、とよとみのなはいきつづけるとしんじてるよ。



神様はそんな僕らを嘲笑う
無様に死んでゆく我らを、精々笑うがいい


ナニコレ。すんげぇシリアスになった。誰落ちでもないしまじ何なの?(土下座)
110205
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