「あの娘の側にマギを置くのはやはり間違いであったか」

「そのようです。ルフ無き娘に情が移ってしまっては我々の計画が全て水の泡」

「あのマギが他人に心を寄せるとは」

「長い時を共に過ごしすぎたのでしょう。…我々の判断不足も原因の一つであることは否定出来ません」

「その事に関しては時間を掛けるに越したことはない能力だ。しかし、見たところ我々の望む力は持ち合わせていないようだが…」

「魔力量は我々をも上回ることは確かですが、非力なことに変わりはありません」

「魔法すら使える見込みがない」

「堕転する様子もないようですね」

「娘は己の運命全てを恨んではいない。それもマギの存在が大きいのだろう」

「しかしあの奇妙な体質を克服した暁には恐ろしい存在となりましょう」

「その心配はいらぬ。あの体質は治す方法は分からないまま。魔力が多いとは言え、所詮はルフ無しでは生きられぬ身体」

「マギも何やら警戒している」

「娘が用済みとなり殺されるのを恐れているのでしょう。娘の存在でマギが絆されているのも事実。計画に支障が来す前に、」

「そうですね」
「そうですね」

「殺してしまいましょう」
「殺してしまいましょう」


14'0617
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