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その日、とある普通の本丸で、その悲劇という名の事件は起きた。
その本丸の主である青年は朝、昼、晩の三回に分けて当番である刀剣と鍛刀をする。
本日の当番は初期刀である歌仙
その歌仙を引き連れ資材を放ると、その瞬間にまず鍛刀所が爆発した。側にいた妖精さんは心なしか涙目である。
しばらく歌仙も青年も何がおきたかなどわからず惚けていたのだが、ふと、美しく白い刀が転がっているのを見て手に取ったとき、騒ぎを聞き付け荒々しく鍛刀所の扉を開けた存在がいた。今剣である。今剣はこの本丸で二番目に姿を得た刀剣であり、すでに極となり、熟練度をカンストさせた唯一の存在
その今剣は険しい顔つきで辺りを見回し、そして、青年の手元にある刀剣を見ると赤い目を光らせたあと
「さんじょう!!てんがごけん!!しゅうごうですよぉおおおおおおお!」
悲痛とも言える声で叫んだのである
「エ?何これそんなにやばい刀剣なの?」
思わず自分の手元にある刀剣を見つめ、青年は呆然とつぶやいた。
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