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あにさま、あにさま
兄上、兄上!
兄様、兄様
白百合
百合の君
白百合様
百合さま
幾重にも重なる声。
その声に俺は薄れ揺らめく意識を覚醒させる
懐かしい皆
元気にしているのだろうか?
薄れる行く意識に比例して薄れていた体は意識の覚醒とともに形を形成する
「お願いです、二条白百合様!我々に力をおかしください!」
意識が覚醒し、最初に見たのは俺の本体に対して何十人もの人の子が頭を下げているところだった
人の子は、好きだ。
だから俺はニッコリと微笑みを浮かべ、潔く承諾する。
なにより目の前にいた人の子の魂が純白ではないにしろ白い、正しい魂であったから。
だから手を貸す
けれど、やはり人には汚い部分もあるわけで
ソレを検証するために俺は5体の分霊を適当な本丸へと放る
・・・あ、そういえば、政府に承諾を取ってなかったが、まあいいか。
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