短編集/男主 | ナノ


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「お前の名が決まったぞ、童」
「なまえ…」
「そう、そうだぞ童。お前はこれから『猫丸』と名乗りなさい」
「かっこよくないいいいい!」
「何を言うか、お前が猫又から私を立派に守ったからこそこの名になったんだ、誇りなさい」
「やぁああああああ!」
「ほら。刀匠殿もお前に名を掘るためにお呼びしたんだ、お前を一緒に打った方だぞ」
「ねこまるはやだっ!」
「猫丸、言うことを聞きなさい」




嫌だ!超絶ダサい!猫丸なんてかっこよくないっ!
頑張った代償がこれ!?ひどいよ父様ぁっ!て、刀匠の父様ヤダ近づかないで、














あっ…あーーーーーー!!!






―――数時間後―――




「おや、ずいぶん成長したね、猫丸」
「不服」
「舌足らずも治ってよかったじゃないか」
「不服」
「これなら宮に連れて行ってもいいね。美しい美丈夫だよ猫丸。おや、目の瞳孔が少し細い、名前の弊害かな?ほかに異変は?」
「ありませんけどぉ!?」




腹立つことに健康体ですけど??あと道真公の顔で言われると腹立つな??
さらりと揺れる黒髪の髪を後ろで一つに結び、歩くらびさらさらと揺れ、俗にいう直衣と呼ばれる紫色の衣を身にまとう。すごい、紫とかこの時代高級色なのに

刀匠の親父殿は名前を刻んだ時、一瞬だけ私の姿が見えたようでうれしそうに帰っていった


今後私は道真公と一緒に朝廷に上がることとなるらしい、けれど刀の持ち込みなのでいろいろと申請が必要らしい。

あと…私の足元にはあの時斬ったはずの猫又がじゃれついている。どうやら名前に引きずられ眷属としてともにあるらしい。道真公にも見えたため名を『丸』ともらっていた。まんまじゃないですか。あなたきっとセンスがないんです。




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