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次の日
「レオの所のメンバー賑やかで面白かったよ」
お昼休みホワンとした笑みでお茶を飲む彼に奇人とそれを監視する名目で一緒に昼食をとる鬼龍は自身が作った弁当に箸をつつきつつ「よかったな」と笑みを見せてその頭を撫でた
彼の中で暁 結城はすっかり年下にカウントされたらしい。あのころのステージに立ち圧倒的な実力で敵をねじ伏せる姿に憧れた鬼龍はいない。いるのは保護欲爆発させた彼だけである
「いいのぉ。吾輩の所にもちょっと遊びに来てくれれ薫君もわんこも喜ぶぞ?」
「今日は家に帰って寝る」
「いや、今日は部活の日だよネ?」
ひょっこりと顔を出す夏目に目の前でのんきにお茶を飲む奴は部活なんぞに入っていたのかと少々驚きながらしっかり彼の横でデジタルカメラと一眼レフを回す齋宮は無表情だった顔に勝ち誇ったような笑みを浮かべる
「何を言っている結城は二年次から僕の部員なのだよ」
ここに彼を信仰する後輩がいたのならば苦笑したような顔で「お師さん悪いお顔やで」といさめはしただろうがそんな彼は今、前日盗撮していた功を蓮巳に説教を受けている最中である
『授業中だというのに貴様は…!』
『すんませんすんません!!』
ひたすらに謝る姿に何事かと立ち止まる生徒たちはめんどくさいのに捕まったなという目で腰を何度も下げる彼をみつめた
あの先輩の説教は長いししつこいのだ。
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