短編集/男主 | ナノ


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ところ変わって彼らの教室では…



「よくやった結城!!」
「鬼龍頭痛い回さないでー」


やぁーんと明らかにふざけた様子で髪をぐっちゃぐちゃにかき回せれる結城は先ほど初めてのお使いならぬ初めての一人で多学年交流を終わらせてきたところであった
昨日彼が練習中に下級生が落としていったらしきリストバンドを持ってまるで子犬を拾ってきた子供のような目で本性を知るクラスメイトに訴えた


「これ、俺が持ち主に届けたい」


勿論三奇人からや性格を把握したクラスメイトからの猛反対にあったが、最後はぶわっと目じりに涙をためた彼の大勝利で終わることとなる
そんな彼にお使い…失礼、下級生交流をするにあたって年下の妹を持つ鬼龍がお約束ならぬ決め事を彼に吹き込んだ


「いいか、結城。一つ、下級生相手には笑いかけない。一つ、いつもの口調で話さい。一つすぐに戻ってくること。守れるな?」
「俺頑張るね!」
「不安しかのこらねぇのは俺だけかなぁ…!」

大丈夫全員が不安しか残ってない。
しかしそんな彼らの不安などものともせず彼はきちんと「カッコいい帝王」を演じ切って帰ってきたのだ

もとより音楽の才能に付け加え舞台に上がるための基本スキルは天才としか言い表せないほど彼は高い
onとoffの切り替えが早いのも幸いだった


「それにしてもなんでお前持っていきたいなんか言い出したんだ」
「え?んーと、彼が綺麗だったから、かなぁ」


へにゃりととんでもないこと言い放つ彼にクラスの空気は氷、周りに彼のモンペこと瀬名泉がいないかを確認した

大丈夫いらっしゃらない

それにしても彼が綺麗ということはとんでもなく珍しいことだ
基本的に素直なので言葉にも嘘偽りはない

これは、一嵐きそうである

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