短編集/男主 | ナノ


▼ おまけ






「おい、ツラ貸せ」
「息子でも見せてくれんの?」
「はぁ…。」
「諦めなさいレオナ。この子、テスト期間以外は基本コレよ、わかってるでしょ」




授業が終わり、レオナは横にいた男に声をかけた。そして帰ってきたのは上記の言葉、予想していたとはいえ本当に頭の痛くなる男である。隣にいたヴィルすらも諦めているのだろう、何も言わずにそう口にした。

美しい言葉遣い、美しい仕草、絶対的な美。それに括るヴィルにしては珍しいぐらいに彼はナイトに対して様々なことを見逃している。それがどうしてなのかはレオナにはわからないし知らなくても良い事だ。




「酷いなぁ、ヴィルってば…。俺ヴィルとレオナのにゃんにゃんだってヨユーよ?」
「そんなに被写体が欲しいならアンタがなりなさい」
「え、ヴィルモデルのエロ本見て自分で抜けるの??それは俺より変態じゃァ…」
「アタシより美しい人間がいないなら自分でもイケるわよ。」
「ええええ…」




結構ガチトーンである。ちなみにヴィルの言葉すべては枕元に「必要に駆られれば」と「そんなことする予定は全くない」等の言葉が付属するのだが、そんなことナイトもレオナも知らぬところである。二人は結構本気で引いた。そもそも横に猥談どころか放送禁止用語をポンポンと飛ばす男がいるせいでヴィルのそっち系(ナニとは言わない)の耐性はそこら辺のデデニー産男子とは比べ物にならないくらいには高く、ナイトが前世でまあまあハードルの高い鉄棒とするならヴィルは小さい鉄棒と高い鉄棒の中間位に位置する鉄棒までには性癖の許容範囲が広がった。すべてナイトのせいである。この責任はいずれ取らせようとヴィルは心に決めていた。


不意に、ナイトがそういえばと口を開く




「今年の一年生に女の子いるらしいんだけど、二人は見た?」
「「・・・・」」




ガタッ
ガタガタッ


彼がそう問いかけた瞬間である、両脇にいた二人がどこか青い顔で立ち上がると、教室の扉へ向けて全速力で走り出し、教室から飛び出した。




「えっ…?」




残されたのは少し間抜けな顔をしたナイトと、血の気を引かせた顔でクラスメイトが「お願いだから犯罪だけは起こさないでくれ」とその足元に縋り付きながら懇願する姿。そんなクラスメイト達の様子にますます眉を顰めながら、彼はわけもわからぬまま神妙に頷いたのだ





((((((この後緊急の寮長会議と職員会議が開かれ、監督生は男装することが決定した))))))











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