▼ 1
夕焼けに染まる校庭。
校舎裏で密かな会合を行う男女
夕焼けに照らされた少女の顔は赤く、どこか潤んだ瞳で男子生徒を見つめた
震える唇から落とされる言葉はか細く、今にも消えてしまいそうだ
「先輩、好きです。…先輩は覚えていないかもしれませんが…、私、先輩に助けられてから先輩のことがっ…!」
「…ごめん」
「…っ、私じゃ、ダメですか…?先輩のためなら私っ!あちらの世界を捨ててもっ!」
「違うんだ、違うんだよ監督生ちゃん」
悲しそうに歪んだ少女の肩に手を置いて、告白された少年は力なく首を振る。そして、何かを決意したような顔で言い放った
「オレ、男が好きなんだ」
prev / next
目次に戻る