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「しーのーのーめぇ〜」
「おわっ!?五条!?」
「そう、俺」
二ッと楽しそうに笑った彼が私の背中に体重を預けるようにしてもたれ掛かる。なんてことはないか待って欲しい時の合図だった。流れるように肩に落ちた頭にそっと手を当てる。手触りの良い髪が指になじむようで心地いい。
「なーなー東雲。今度新しくできたカフェ行こう」
「ええっ、またぁ?五条糖尿病になるよ」
「俺最強だから大丈夫。な?いいだろ?」
『ね?いいだろ?あそぼうよ東雲』
首を傾げる、幼い仕草が一回目の五条と重なって、私は笑った。
「いいよ。行こうか五条。でも、五条がきちんと任務やってたらね」
「言ったな?」
挑発的に五条が笑った。それに私はにっこりと笑って見せる。
それにしても五条と二人で出かけることになるなんて、久しぶりだ。一回目ですらなかった。多分二回目の恋人だった時がラスト。それ以降ずっとなかったような気がする。柄にまなく少し楽しみに思いながら私は手元の資料を片付けた
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