短編集/女主 | ナノ


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おかしいなと思わなかったわけじゃない。
生まれたときから二足歩行じゃなくて、なんか見たことある顔がこちらを覗き込んでて
だけど私は幸せだった。
優しい飼い主に小鳥たち。囀り踊る彼らは私に色々な情報をくれた。
けれど幸せは長くは続かない。気味の悪い大きな人間が私の大切なものを奪っていった。

そんな光景を目にして、はんねす?さんって言う人がみかさやあるみんやえれんを抱えて私の繋がれた紐を切る




「お前も逃げろくたばんなよ!」




そう言って飛び立つ彼に私は鳴いた

まって!まって!置いてかないで!
えれん!あるみん!みかさ!

手を伸ばしたいのに私の足じゃ無理で
声を上げたいのに私の口じゃ無理で。

人になりたい!人に人に人に…!人間に【なりたいの!】

強く願った瞬間、身体が光だし頭の中に何かが流れ込んでくる

この世界のこと。未来のこと、過去のこと。たくさんたくさん流れ込んでくる

そして私は呆然と自分の姿を見下ろした。
そこには何故か調査兵団の服を着た私は
こんがらがる意識の中、目の前に大きな顔。

息を呑み固まるが、その大きな顔、巨人は私に興味がないのか横を通っていく。

何度も何度も繰り返され導いた一つの可能性

私は巨人に食べられないと。


そして思った


原作を変えることはできないけどミカサやアルミンやエレンの心の支えにはなれるんじゃないかと。


ーー彼らを探しに行こう



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