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「え、つまり私って死んでたの?」
「そうそう。だからなんで生き返ったのかなーって」
「いや、そんなの私に聞かれても…」
あの後、虎杖を殴った私は不審者丸出しの五条に事情聴取を受けていた。その勢いにそっと距離を取ってもすぐに詰められてしまう。詰め寄られるなら煉獄さんにお願いしたいのに。なんでこの人に詰め寄られているんだろう。解せない。
五条の後ろで顎を冷やしながらこちらを見ている虎杖の顔はまだ赤い。それが酷く癪に障った。くそ、裸を見られるとかどんな辱しめだ。そもそもなんで生き返らせる姿が裸だったんだとか、言いたいことは多くあるし、正直、虎杖の目を潰したかった。
私の様子に五条は考えるように首を傾げて口を開く。
「生き返った本人にもなんで生き返った変わらない、か。これは、ちょっと困ったね」
「…」
「…仕方ない。君も東京に行こうか」
「はあ?」
「あっ、傷つく。その目は傷つく」
一応、私の中で生き返った理由がわかっているとはいえ、誰が初めて面会した不審者(※教員)を信用し、着いて行こうとおもうのか。しかも東京?ここ北国だぞ。わかってんのかお前。虎杖と違って私には家族が…。あれ?そう言えば私死んだことになってたよな?家族への説明はどんな感じになっているのか。そんな私の疑問は目の前の男の言葉によって解決した
「ちなみに君の死体があまりにも変死体だかったから行方不明として処理されてるよ」
「は、あああ??」
「帰る場所ないね」
簡単に言えば。目を見なくてもわかる。男は随分いい笑顔で言い放った。その事実に顔を引きつらせ、私は一歩引くが、それを許さないと言わんばかりに男、五条悟が私の肩に手を置き、一言。
「逃げる場所も、拒否権も、ないから」
君はどっちみち東京行きだよ。
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