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「女子が、藁人形を作るのはどういうときだろうか」
「は?」
つまり、相談相手(蟲柱)に直撃した。彼女は額に青筋を浮かべながら言葉をかえし、少しだけ冷静になると、いつものような微笑むを浮かべて言い放つ
「冨岡さんが嫌いなんじゃないですか?」
いつもなら心外だと眉を顰めるものの、義勇は唸りながら首を傾げ、そっ…と、あの藁人形を差し出した。ちなみに紅の牡丹があしらわれた巾着袋に入っていたことに、胡蝶は引く。結構厳重に保管してるんだな、藁人形なのに、そう思いながら取り出した人形は確かにまがまがしかったが、来ている白装束(仮)に使われている布は質がいいのか、手触りがしっかりとしており、胡蝶は首をかしげる。
「嫌いな相手を想って、このような上等な布を使うでしょうか…。その藤の家はどちらに?」
「俺の担当区域だ」
「それを聞いてるんじゃないんですよ。仮に柱である貴方が呪われても困るので、私が聞いてきます」
さっさと場所を教えてくださいと突かれながら言われ、義勇は口を割った。
けれど悲劇はこれでは終わらない
「煉獄…」
「藁人形を贈られたんだが、どうすればいいと思う」
あろうことか義勇は蝶屋敷を追い出された後、たまたま出会った煉獄に悩みを打ち明けた
しかし煉獄は首をかしげる。わら人形とやらが何かが、煉獄にはわからなかったのだ。藁で作った人形であるということは理解できる。けれど、どうして彼がそこまで落ち込んでいる(雰囲気)なのかが理解できず、頷きながら言う
「感謝を述べてはどうだろう!」
もらったわけだしな!!
「すでに、やってる」
「む!では逆に自分も送り返してみてはどうだ!」
その発想はなかった。けれども年若い女に藁人形を贈るのはいかがなものだろう。
そう考えながら街中を歩く義勇は気づかない。後ろからとことこと駆け寄った千寿郎に煉獄が藁人形のことを聞き、兄弟そろって首をかしげていたのを
――――兄上!
――――む、千寿郎か、ところで、わら人形とは何だと思う
――――わらで作った人形でしょうか?あ、甘露寺さんに聞いてみましょう
――――そうだな!!
【速報】甘露寺から巡り巡って伊黒にまで被害が拡大する
義勇は歩きながら考えた。これでも頭はさえる方だと思っているが、わら人形の御礼()が思い浮かばない。いっそのこと藁を贈ればいいのかもしれない
そう考えて首を振る、年若い娘に藁人形など贈ったところで嫌われるのはわかり切っていた。ならばもっと綺麗なものをーー。そう思って目に入ってきたのはショーウィンドウに飾られた、西洋人形だった。
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