▼ 10
走る私の身体に体を熱くしていつもより緊張にこわばるエレンの感覚が伝わってくる
荷馬車班よりも扱いが丁寧である私たちリヴァイ班がいるのは中央後列
そしてほかの馬よりも聞こえる私の耳はいくつもの煙弾の音
さっきのは赤色の煙弾の音か…
「カルデア…?」
少しだけ甲高い声で鳴けばエレンはあからさまにほっとしたがリヴァイさんの額にはしわが刻まれる
上がる煙が赤から黒に変わった
そしてこちらまで漂うのはひどく嫌な臭い
そのあとに右翼側の方から何か早いものが走ってくる音と、口頭伝達の声
「…なんてざまだ。やけに索敵の深くまで侵入されてやがる…」
ちなみに右翼側はすでに機能していない
ただ、なぜだろう原作よりも死んでる人の数が少ない気がする
駆ける足は止まらないけれど本能的に何かが違うと感じた
そして、目の前に見え始めた巨大樹の森
ここからが正念場だろう
「…」
チラリと後方を、私を見つめリヴァイさんが顎を動かす
わかってるっての。
リヴァイさんの馬も心得たのかスペードを上げた
『この中で作戦を伝えられた馬同士頼むぞ』
『了解です』
ちなみに馬にも上下関係はある。初めて知ったよ私
団長さんが乗る白馬の馬はとても優雅な貴公子でした
『なるほど、君がヒト化できる馬だね。僕はエルヴィンの愛馬だよろしく。お互いご主人様達の未来のため頑張ろう』
柔らかい口調が素敵でした、えぇ。でもこの馬、獣の巨人の攻撃受けて御臨終遊ばせたのを覚えてる。ミケさんの馬にも合ったけどあれもアレで嫌な最後でした。
間接的にとは言えミケさんの原作退場に一躍買ってしまったんだよね
『巨大樹の森に入るぞ新人!』
『わかってますよ!みなさん速度を上げてください!』
上がる馬の速度に乗り手が少し焦ったように声を上げるが私たちはかまわずに余力を残した状態で走る
そして視界にとらえた黒の煙弾
「黒の、煙弾!?」
思ったより早い…!
「ヒヒーーン!」
「カルデア!?」
鳴くことであたりにいるであろう馬たちの声を拾えばあと600メートル地点にから声が返ってきた
そして、後ろから何かがつぶれる嫌な音と共にひどい地響き
女型の巨人。それが今私たちの後ろに現れた
やっぱり早いな
リヴァイさんの全速失踪とお説教(?)の後に聞こえた「全速力と耳をふさげ」
ちなみに私とエレンだけならあの女型から逃げれる
まぁ、しないけど
だけどねリヴァイさん。音響弾は馬に対する配慮が全然足りない…!
お目汚し失礼しました!
prev / next
目次に戻る