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「おっせぇぞエレン!もっとうまく手綱操作しやがれ!」
「すんません!」
ごめんなカルデアと言い複雑な道を軽く無理やりな方向転換
大丈夫だよエレン。あの野郎は立体起動装置でこっちは馬なんだからちょっと追いつくのは難しいんだ。
…おいこのやろうクソちびが…!見てろよ私の脚力
後ろで化け物を見るような目で私を見るリヴァイ班の面々に何とも言えない気分になった
「立体起動装置についていく馬とは…馬だよな?」
「そうね、馬のはずよハンジさんいわく」
ハンジさんは絶対許さないあの人のサディスティックな一面は馬にも向くのですね。でっかい注射で血液を採られたことは絶対に忘れない
そして息を荒らげて私を人目のないところでソニーとビーンに差し出したことは末代まで覚えてるつもりだ、あの巨人ども私を襲おうとして動きを止めたとき2,3秒眺めた後、興味ねぇと言わんばかりに別の方向向いたから
『やっぱりカルデアすっげぇえええええ!!Whoooo↑↑!!』
コイツは本物(変態)だ…
そして手遅れだとも悟ってしまったこいつは魔性のアカン奴だ
思わず一歩引いた私は悪くない
テンション高すぎて見学してた兵長様も団長様も慣れてるはずなのにドン引きだった
「カルデアどうした?手綱操作、俺下手か?」
訓練が終わり私の首を撫でるエレンにそんな事ないよと頭を擦り付ける
居たくないよ大丈夫と意思表示をしたつもりだったがエレンは勘違いしたのか今度は思いっきり抱き付いて「ごめんな」とつぶやいた
んんんんんっ!!エレンが天使すぎる!こんな馬にすら気遣いできるいい子を利用すること思いついた古狸ども絶許
まだ15歳ぞこの子
私の時代じゃ親の庇護下の元のびのびと過ごして愛情たっぷり貰ってる年頃だぞ
「エレンはほんとにカルデアが好きね」
「ペトラさん!はい!俺、変かもしれないけどアルミンやミカサと同じくらいコイツが大事なんです」
「いいと思うわ。それに、家族を抜きにしてもカルデアは綺麗な馬だから軍馬にならなければ貴族用の愛玩馬だったはずだもの」
「ソレ徴収令のとき言われたんですけど、カルデアが手綱を手に取った役人を蹴り飛ばしたんですよ」
ペトラさんからほんとに馬じゃないような物見る目で見られた。
だって小声で聞こえたんだもん売り飛ばすうんぬんふざけんなよって思ってけったら虫の息だった
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