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大き目の船(トイレ・厨房・お風呂・部屋(?室))を購入して防御系の魔法を施す
いや、ワンピースにトリップとかふざけるなよ?海も危険、陸も危険、空も危険、動物も人間も危険な割と死亡フラグたっぷりな世界ですよありがとうございます!!(血涙)
いや、まだマシな気がせんでもない。だって関わらなきゃいいもんね?海軍は海賊旗なんぞ靡かせず、清く、正しく生きていればマークされませんもんね??指名手配なんてされませんもんね?
お店で服や食料を買い込みながらいくつかの書物を手に取ってカウンターに持っていく
立香は男性用の下着を買いに行かせた。勿論一人じゃなくメジェド様込みで。いや、最初はメジェド様呼ぼうとは思わなかったけど召喚で呼び出せたのがメジェド様と
「ふぉう、ふぉーう、マーリンシスベシフォーウ」
「そうだね、君だけは立香に着けちゃいけないと思ったんだ、あとどくさに紛れてマーリンに対する恨みの言葉を吐かない」
「フォーウ」
中身が例のアレなフォウ君召喚に成功し思わず叫んだ。
立香は気付かなかったようで笑顔で抱きしめていたけれども、これを付けると仮に立香に何かあった場合相手を塵にしそうで怖いんだよなぁいや。いろいろ地雷さえ踏まなければ大人しくてかわいい愛玩動物に見えなくもない…
肩に乗っかりながら思念でアレが食べたいと主張するフォウの口に飴を突っ込めば大人しく口の中で溶かしている。うんうん、お願いだから黙っててね
あらかた買い物を終えて立香の待つ。
あとはこの島から無事に出ていければ上々かな
自身の口に飴玉を押し入れてあたりを見回しフォウの頭を軽く撫でる
ちらりちらりと女性たちがフォウに熱い視線を送るがその視線をすべて無視してしまっていた杖を出現させた
光が集まり形を形成したそれは美しい桜が閉じ込められた水晶を頭部にして繊細な装飾が施された私専用の杖。それをクルリと一回転させれば背後にいた“不埒者”の腕を拘束する
天の鎖に似た鎖が男の腕を捕えて私たちを守るかのようにジャラリジャラリと音を立ててうねった。
「………クロヒゲシスベシフォーウ」
「体格が違うと思うし、後別人だよ、まぁ、彼をモデルとした人物で間違いはないけれど」
幾重にも絡まる鎖に固まったままの男、この世界の黒ひげはタヌキおやじ染みた顔を人の好さそうな表情に変えて笑った
あーやだやだ、嫌なのに目を付けられたなぁ、フォウが
「ゼハハハ…脅かせたのは謝るが、なぁに、別に危害を加えたいわけじゃない、お嬢ちゃんの肩にいるその、生き物に用がある」
「ふぉーう…」
「ほーら、喋るとこんなのに目を付けられて最終的に売り飛ばされるんだよ?
…あぁ、申し訳ないですけど海賊は信用しちゃいけないって言われてるんで」
「…俺がか?俺は海賊じゃ」
「嘘は駄目ですよ、黒ひげエドワード・ティーチさん。誇り高き白ひげ海賊団の方だろうとフォウは貸してあげられない。だって。…あんたが一番この世界で信用できないから」
白ひげ海賊団の前に元を付けなかったのはまだ彼が白ひげを裏切ったなどと世間が報道していないと知っているからだ。
多くあった荷物に移動系魔法をかけて船に飛ばし、未だ鎖で拘束される彼に杖を向けた
瞬間に人の好さそうな顔は歪み性根腐ったと言わんばかりに醜い本性が顔をのぞかせる。
あぁ、うん、やっぱり信用しなくてよかった。
パキンパキンと鎖が悲鳴を上げる音
そして困惑してこちらを眺める立香を確認して私は駆け出した
立香の名前がばれないように気を付けて叫ぶ
「マスター!走れ!!」
「うぇ!?あ、でも荷物…!」
「いい、こっちでやる!!手を握ってろ、メジェド神にフォウ落とされないでよ!?」
立香の荷物に移動系魔法をかけて飛ばし走り出した瞬間に完全に鎖が断ち切れる音がした。後ろを振り返れば怒りに顔を赤く染めがけた黒ひげが黒い闇をこちらに放つ。それに舌打ちをして咄嗟に簡易的な防御魔法を壁として展開させれば見えない壁に阻まれて闇は立ち往生
そして立香たちの背中を押して船に走らせながら杖の先を地面に叩き付ける
刹那、私の周りに風が発動して白衣をはためかせるとともに防御壁を砕き飛んでいく、そのついでに近くにあった木々の葉っぱが黒ひげの視界を遮ったのかうねっていた闇の軌道が大きくずれる。それを確認して私は立香たちに合流すべく走り出しあ
「…この俺をコケにしやがって、許さねえぞクソアマァ!!!」
「簡易的な防御壁を破れなかった奴の戯言なんか聞こえないね!悔しかったらこれを破ってみなよ!」
走りながら杖を地に滑らせれば彼の周りに淡い桃色の半透明な結界を作り出す
私の持つ防御系統魔法では二番目に下級の魔法だが時間稼ぎには十分だろう
私の召喚したメジェド様やフォウ君を捕まえようと声をかけたんだろうけど残念
お仲間さんにも防御系統魔法(簡易)かけといたから助けんて来ないよ、ご愁傷様
ふふっと笑みをこぼし立香たちと合流し、彼らにフードを被せて船に乗り込んだ
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