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「…もぶ子さんっ」
「・・・・・・・」
マシュの涙にぬれた瞳が私を映す
「流石英霊、理解が早くて助かるよ。この条件に一番当てはまるのはもぶ子ちゃんさ。数多の世界を渡り数多の英霊と絆を結んでいるからね、どこの世界に飛ばされても順応できるだろう、それに彼女はカルデアきっての補助専門であり防衛の要だ」
美女からのウィンクにここまで心躍らないの渡し始めてだよ
思わず固まる私に科学者たちがいろいろな装置を体に取り付け始める
またオカン、良妻、賢母、母、妻、後輩、お子様組が厨房に入っていったのを見た。
そして放心している私の手を某インドの英雄黒い方が握り微笑みかける
「あなたと離れるのはこの身が張り裂けそうなほどつらいですが、いつまでも待っています」
「ねぇ、知ってる?それって一部じゃ死亡フラグっていうんだよ」
ギル君は宝物庫から何か取り出そうとしているし、賢王様は大量の書物を取り出し目を通し始め、それをキャスター陣営が手伝う
誰も私が行くことに反対しないんですかね!!?
黒い英雄から引っぺがされた後はメイヴちゃんや女性陣によるもしもの時の男を手玉に取る口座と男性陣(色男)による女性でも口説ける女性の落とし方講座。私は何をしに行くんですっけ?
「よいかモラブティア、貴様に何かあった場合、余は妃に顔向けが出来ぬ。ショックで本霊に還ってしまうかもしれん。…よって、貴様がすることは余のマスターと共に貴様が無事に帰ってくることだ。そして餞別にこれを渡そう、どこの世界でも価値は同じであろうからな」
渡された純金の束が真顔で渡される
どうせお金は必要だからと科学者組が開発した四次元ポケット(仮)に詰め込んだ
ところでファラオはこれどこから出したの?
「良いですかもぶ子!我が協力者であるマスターと無事に帰ってくるのですよ!返ってこなければ…かえって、こな…」
「泣かないでニトちゃん!!」
思いっきり彼女が自分から地雷を踏んで爆死した気配を察知して抱きしめる
なにこの愛すべきポンコツ女王可愛いい
「もぶ子、マスターに何かあった場合、すぐに切断してください」
「やめて!そんな物騒なこと聞きたくないっ!!」
ナイチンゲールが差し出すメスやらなんやらが入ったやけに物理行使が多い救急箱と普通の消毒液が入った救急箱を四次元ポケット(仮)に詰め込みながら叫ぶ
そのあとに厨房組が作ったお弁当を持たされて魔法陣の中央に座らせられる
そのあとダヴィンチちゃんから長々とした注意事項といつの間に作ったのかよくわからない分厚いファイルを手渡された
「じゃあ、君の幸運を祈るよ!」
展開する魔法陣の中央から強い風が吹き荒れる
白衣がバタバタと風に強く舞い、足元が浮くとそのまま何かに吸い込まれるように私は消えた
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