番外編等 | ナノ


▼ 主人公とカルナが恋人になる話

「好きだ、幸せにするから俺の伴侶になってほしい」




真剣な顔をして私の両手を握り、甘く、まるで蜂蜜とか砂糖とかぶち込んだくらい蕩ける目と声でそんな言葉を言われた私は、顔を赤くし「はぃぃぃいっ」と答えるしかなかった。めっちゃ後悔してる。

恋人とかそんな関係すっ飛ばし、伴侶になった私たちであるが、一つどころかいくつも問題がある、というか問題がないほうがおかしいのかもしれない。まず弟は駄々をこねたし、何人かのサーヴァントは暴走。意外だったのはファラオやメイヴちゃんが止める側に回ってくれたことだ。そんなこんなで私たちがお付き合いしているという事実は公然の秘密みたいにされた。マジか…

いや、私は人前でいちゃつく程図太くもなければ度胸もないが、カルナはどうやらそうでもないらしく、二人っきりになれば抱き着くし、キスもする、夜に肌を重ねる日、私は翌日には寝込んでいることもザラだ。やめてください死んでしまいます…。体力お化けかよ

だからこそ、この状況はいつも通りなのだ、うん、いつも通り




「紫苑、しおん…、かおる」
「ンッ、――ぁ」




首に唇を這わせて、キスを落とし、華を咲かせていくカルナの肩に手を置いて、押しやる様に力を籠めれば、私を膝の上に乗せたまま事に及ぼうとしている旦那様はこちらを見上げると甘えるように私の名前を呼ぶのだ。




「香は甘い、…香、一度だけだ、一度だけ」
「――ッ、そう、いって、終わったことないくせにっ…!」
「すきだ、香」




すき、すきだ、だれよりも。甘くて、本当に溶かされそうな声だ。行為中も全部甘い。なのに、まだ私を溶かそうとするのか。甘いのはカルナの方じゃないかと、何度叫びたいと思ったことか

指を絡めて唇にかぶりつくような荒らさを見せてキスするカルナに驚いて身を引くけれど、それを許さないと言わんばかりに色の違う双眸が私を捕らえた




「カ、ルナ」
「逃げるな…、優しくする、誰よりも、だから、離れないでくれ」





腰に回された腕が私を見つめる双眸が、何かほの暗い色を持つ




「逃げられると、離れられると、きっと俺は、香を傷つける」




だから、だから、俺を求めてくれ、身体全体でそう告げる彼に、私はどう返せばいいんだろう




「閉じ込めたい、そして香が誰に盛られないようカギを付けて、ずっとそばに居たい」




まるで子供余のような口調で、ダメかと聞いてくるけど、…ダメに決まってるだろう
震える声で否定した私に、はかなげな笑みを浮かべて「そうか」と簡素に答えを返したカルナは優しく、私をベットへと押し倒してその腕に囲った




「いい、今はこれで満足だ。」
「今日は、ひどく饒舌だね、カルナ」
「−−−?そうか?、ならばうれしい。俺はコミュニケーションが得意ではないからな」
「そうじゃないと思うんだ」




ちらついていた暗い色をした何かがカルナの瞳から消える
それを見て安堵する。−−−そして同時に警戒もした。あのカルナの言葉は本物だ。

だけど




「カルナ」
「紫苑?」
「君が好きだよ、カルナ、少なくとも、この霊基は君のことを愛してる」
「―――っ」




何時もは白いその頬が赤く染まるのを視界に収める。


それと同時に、目の前の男はどうしようもなく飢えたような光を瞳に移した。それを見つけた私は、私を囲う【夫】の首へと腕を回して引き寄せ、囁く。




「いいよ、今日は、…好きなようにして?」
「だが、いやだと…」
「気が変わった。いいよ、いつもみたいに優しくじゃなくて、たまにはカルナが、…旦那様が好きなように、…犯して突いて、孕ませて」




囁き、いつものお返にと誘い出せば、自分でも驚くくらいに甘い声が出る。最後に「愛してる」と呟き、だめ押しだけどと自分の中で宣言しつつ、甘えるように己から唇を合わせたとたん、カルナの雰囲気が変わるのを感じて細く微笑えんだ



そして…、










いつもはマジでいつも遠慮してたんだなというくらいの激しい行為に早々に白旗を上げたにも関わらず、奴は行為を続行し、次の日の私は一日中動けなくなったことをココに記しておこうと思う

なんで?いつもは泣いてやめてと言えばやめてくれるのに、なぜ今日は泣けば笑って激しくするし、もう言わない。絶対に言わない



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