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シャボンディ諸島・インペルダウン・王下七武海・海軍・海賊白ひげ。
取り寄せた新聞に並ぶ言葉の羅列に私はそっとため息をついた
原作の流れは順調に進んでる
それはいっそ気持ち悪いくらいに順調だ
私と立香というイレギュラーさえいなければこんな気持ちも起きなかっただろうに。
そう思いながら最近ますます激しくなる海軍からのアプローチにため息をついた。それと同時に白ひげ海賊団からの誘い。一度だけ届いた手紙には情に訴えるような書き方で始まり、終わる。
末っ子を助けたい
その気持ちはわかるけど、私たちを巻き込まないでほしい。
立香がこれを目にするときっと流されてしまう。
私と違い、あの子は無力だ。令呪もこの世界では役に立たない。サーヴァントを呼び寄せることができないのだから。
けれど、捨てることができない私は、何なんだろう
「姉ちゃん…なんか、腕から赤いドロドロをこぼすおじさんが結界を壊そうとしてるんだけど…というか、蒸し暑い…」
「…赤犬がでしゃばるほど私の力を借りたいと…?私あのおじ様嫌いだからいやー」
「それ、黄色い人の時も自電車の人の時も似たようなこと言ってたような…?」
「フォゥフォーウ」
不満げになく白いモフモフの首根っこをつかみ、少々乱暴に撫でた。
無理なものは無理なんだよ
ダ・ヴィンチちゃんが言うにはこの世界にはこの世界の物語。つまり原作のことだけど、その流れを変えてしまうと私たちはあちらに戻れない可能性が出てしまう
一つの節目で帰ることができると聞いているから、多分、頂上決戦が終了した軸らへんで帰れるのではないかという私の見立てが崩れてしまうのだ
それだけは何が何でも避けたい。
だから悪いけど彼らの作戦には乗れない、乗りたくない
私の仕事は立香を無事に返すこと。それが何よりも一番であり、絶対だ
だから
「赤犬。あんたが来ようと、政府のお偉いさんが来ようと、天竜人が来ようと、私は行かない、いけないよ?私たちには関係ないから。マスターにはかかわってほしくないからね」
座っていた椅子から下りて、赤犬が今まさにもう一度殴ろうとした結界から話しかける
杖を回して結界を強化させることも忘れない
「正義に、背くか、海軍に逆らうんか…」
うなるように、威嚇するように低く、低く問いかけられる
「こっちはただ船で旅をしたいだけの一般人だ。ねぇ、赤犬。政府も何も関係ない。私のマスターに関わり、害を及ぼすというのなら…」
その時は、
「私と貴方たちで戦争をしようか」
自然系の悪魔の実保持者でも関係ない。マスターに関わり、害を及ぼす可能性があるならつぶす。
「守ることしかできない小娘が調子に乗るなよ」
「その小娘が創った結界を壊せない老いぼれが喚くなよ。でも私、小娘っていうほどかわいらしい年齢じゃないんだ」
にっこりとほほ笑んだ私を相変わらず鋭い目つきで赤犬は見つめた
確かに私は守りが得意だ。だけど誰も、攻撃ができないとは言ってないんだよ
主人公
やはりもともと寂しくて自我を崩壊させた事がある本霊を持つ(今は居ない)ため狂化がかかることがある。マスターが一番大切で、マスターのためなら割とエグイこともゲスこともできたり。マスターに害を及ぼさなければ基本的友好的であり、優しい。この世界ではマスターが厄介ごとをホイホイしないため比較的平和な精神。ただしマスター自身の心が平和かというとそうでもなかったり…。
…攻撃って当たらなければ意味ないんだよね、とほほ笑みながら言える。それを実行するだけの実力もある
立香
姉ちゃん無理しないで…ちょっとはらはらしながら赤犬との会話を聞いていた、はらはらはしていたが主人公が負けるとは思っていないので根本的には相手への同情が強い。
あっちこっちに敵を作ってそうな姉に対して本気で心配してる。でも守られている自覚もあるため強く言えない
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