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そして最初に戻るわけだが…。見知らぬ不審者に加えて黒髪の男の子も追加された。怖い。ガタガタと身体を震わせる私に不審者がにっこりと笑う
「で、アレ、君の術式だよね。どうなってるの?」
そこで私はふと気づいた。あれ、この人もしかして…
「アレ、見えるの?」
「あ、そこからなんだ?」
君、実は相当鈍いね?そんな失礼な言葉を宣って男が私の長年の疑問を晴らしていく。どうやら私が見てたあれらは呪霊というらしい。そして私が使役している”黒”たちも呪霊らしい。初めて知った事実に思わず口を手で押さえれば、「じゃあ、次は君が答えてね。アレ、何?」と首を傾げられる
「私が歌を歌えばその歌を触媒に召喚できる使い魔的な…?」
「なるほど。聞いたことないね」
「あ、でも本人たちから聞いてみた方がいいかも」
「え、君、あの特級以外にも使役してるの?」
「特級?」
「そう、僕に投げてきた子。アレ特級でしょ?」
そうなの?思わず聞いてしまった私は悪くないはずだ。けれど、けれどだ。
「私、”かごめ”と同じか、それ以上の子が他にもいるので」
トン。
額に指のようなモノで押された感触がしたと思えば、私の視界は黒く塗りつぶされる。
これもしかして虎杖の二の舞なのでは…?
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