PTAが怖いんだっ…! | ナノ


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Twitterで仲良くさせていただいている猫島合ちゃん(https://twitter.com/GONEKOSHIMA)宅のラジュ君(https://www.pixiv.net/novel/series/1355495)とコラボです!簡単に言えばトラ君と戯れるルイス先生の話ですね!すごくニヤニヤするほど面白い話なので本家のラジュ君も是非見てね!





「は?虎?」




思わずつぶやいてしまった俺は悪くないはずだ。午後の授業も終わり、何をするでもなく植物園に顔を出して久々に横になろうとしたとき、ガサガサと何かが草を掻き分ける音を聞いてそちらに目をやった。すると転がる様にそこから黄色と黒の縞模様が特徴的な虎の子供が飛び出し、ぱたりと目が合った。

つやつやとビニール越しに受ける太陽の光で輝いた毛並みが眩しくてちょっと目を細めながらその虎と数秒間じっと見つめ合う。

大きく愛嬌のあるつぶらな瞳がこちらを見つめ、不意にキュゥっと瞳孔が細くなった瞬間。いきなりコロンと仰向けに転がった。え、どういう事だ…??

ドット柄のような黒い斑点が浮かぶ白くてモフりがいのありそうな腹を無防備に曝け出し、何度も何度も転がってはこちらに目線を投げる。

しかも「きゅぅ〜ん。きゅんっ、くぅ〜ん」と甘えたような鳴き声。じたばたと宙で手足をばたつかせる姿庇護欲をそそるが、何がしたいんだろう。


思わず目を点にして観察していた時、あることに気付く、…心なしか尻尾が股の間に隠れている気がするのだ。…いや、気がするではなくまぎれもなく、隠している。その光景に思わず一人で呟いた。尻尾が股下に隠れるって昔よく見たな…?具体的に言うなら調教途中の寮生たちで。…つまりだ、甘えてるっていうよりは此奴、俺のこと怖がってないか…?




「きゃぅんっ!きゃうん…!!」
「命乞いにしか見えない…」




外見だけなら万人受けする自信があるだけに、少々傷ついた。少しだけ眉を顰め、俺は今だ手足をバタつかせる子虎を抱き上げれば、ものの見事に身体をピシリと固め、伺いみるようにこちらを見上げる瞳は存外素直だ。

つまり本気で、俺を怖がってる。

そんな子虎に対してにっこりと笑い、野生というには丁寧にブラッシングがかけられている毛並みを撫でる。その拍子に触れた首輪から学園長の魔力を感じ、誰の使い魔だろうかと頭を回した。

虎、虎の使い魔か。

こういう時、流れてくる生徒資料をきちんと見ていれば良かったと悔いるが、あっ、と思いつく。ひと月前の寮長会議の時の話だ、あの時スカラビアの寮長が自分の使い魔について話していた。大きな虎を寮内に飼っていて、授業中は小さくなるため膝上で寝ていると聞いた覚えがある。

もしも彼の使い魔ならスカラビアの紋章が首輪に刻まれているはずだ




「ってことは、か。ちょっと悪いな、触れるぞ」
「ぎゃぅっ!!??」
「暴れるな」
「きゃうん!!」




首輪を良く見ようと手を伸ばした瞬間なぜか激しく抵抗されて、思わず低く声をかければ命乞いするように叫ばれた。どことなく人間臭い虎だと思うが、それは関係ない。ちょっと大人しろ。パシン。尻尾の付け根辺りを軽く叩き、大人しくなったところで首輪をじっと見つめれば、スカラビアの紋章が刻まれている。ああビンゴだな

ココからスカラビアに行くには少々時間がかかる。二年生は今の時間錬金術だったはずだ、ならば授業終わりにこの虎を届ける方向でいいだろう。

手慰みに顎下や耳の付け根を指で撫でつけるとご機嫌そうに尻尾が揺れ、先ほどまでの悲壮さが嘘みたいだ。やはり動物。扱いやすくて大変結構




「それにしてもお前、虎のようでどこか人間臭いなぁ」
「ごろにゃん?」
「それは猫。人の言葉でも分かるってことかな?」
「がうっ!」




生徒がちらほら見え始めたため、猫を被りつつ、抱き方を変えて廊下を歩く。肩に虎の頭が来るように抱き抱えれば、揺れるイヤリングが気になるのかちょっかいをかけてくる様が少しおかしい。

飼い虎だからだろう、戯(たわむ)れ程度の力で触れて戻す。スカラビアの寮長じゃ躾も甘いんじゃないかと思ったがそうでもないんだな。まあ仮にも使い魔、人間(主に生徒)をケガさせては立つ顔がないか。




「職員室に付いたらミルクでもあげようね」
「ぐるぅ…」
「不服?」
「ぐるるぅぅっ…」
「そんな葛藤したような声を出さなくても…。お肉とかの方がいいのかな、でもないだろうし…。飼い主に食べさせてもらいなさい」




それにしても本当に大人しい。虎っていう物は人馴れしていないものだと思っていたのだけれど、存外大人しい

職員室に入るなり獣人の教員が「ひぇっ」とか細い悲鳴を上げたのがやけに気になった。







――――この後虎(ラジュ)君は無事ジャミルに回収されていった。



















ルイス先生
 善意で虎を保護したのにはじめから服従の意を表されたり、怯えられたりしてた。本人はなぜかわかってないけど、溢れ出るオーラが怖すぎるとは虎(ラジュ)君談。それを理解した獣人の教員は小さく悲鳴を上げた



ラジュ(虎)君
 猫島 合ちゃん宅のラジュ君でした。本能でルイス先生に降参ってしてしまって自分でも困惑してる。そして機嫌を損ねないように頑張って良い子を演じてた。大丈夫?これやって怒らないか??大丈夫???ってずっといい子にしてました褒めてあげてください



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