PTAが怖いんだっ…! | ナノ


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「不審者の目撃情報があるんですけど、ルイス先生」
「不審者の目撃情報があったら真っ先に俺を理由に挙げるのどうかと思うんですけど学園長」




 激しい風評被害である。「やれやれ次はどこから引っ張ってきたのやら」だとか「そろそろその顔も困り者だな」だとか「まあ、ルイス先生が狙われる分には返り討ちにできるからいいのでは」だとか好き勝手言ってくれる周りの教師をどうしてくれようか。




「今までの学園不審者情報の割合は答えてみなさい」
「俺が7、クルーウェル先生1、ヴィル・シェーンハイト1、その他生徒教師1」
「ほら見なさい!」
「俺じゃないでーす。最近は別にストーカー被害もないんで」




 前兆がないです!ときっぱり述べれば、そもそもあなたが外に出なければすべて解決するんですよと言う学園長の言葉が理不尽過ぎていやだ。ちなみにこのナイトレイブンカレッジにおいて別に不審者が珍しくない、一週間に一回のペースで登場するからだ。まあ、なまじ顔がいい生徒が多いし、俺もいる。なぜ俺のが多いかといえば生徒と違い学園外によく出歩くし、出張であなたのハートを狙い撃ち(意訳)という交渉を行ってくるからである。もう色仕掛(笑うところ)で交渉行った方がすべてスムーズにいくのだ。仕方ない。




「最近行った国は、輝石の国だな。何してきた」
「いつも通り交渉」
「色仕掛をしてきたそうです」
「それじゃないんですか。もう」
「だんだん不審者への対応が投げやりになってきているのはどうかと思うんですけど」




 これがPTAにばれたらしばき倒されますよ。俺いやですからね。と一応言っとく。どこからか「ルイス先生のせいでしょう」とあきれたような声が聞こえるけれど知らない。俺は悪くないぞ。ぷくぅっと頬を膨らませてみれば「う“っ…!」だとか「卑怯すぎるっ…!」という野太い声にやめた。お前らにちやほやされてもうれしくねぇわ。




「じゃあ、いつも通り、対応はルイス先生ということで」
「ユニーク魔法オッケーですか?」
「好きにされたらいいんじゃないですか。生徒じゃないなら構いませんよ」
「りょうかーい」
「どこに行くんだ?ルイス」
「お掃除」




 音を立てて腰を上げれば、察したのかクルーウェル先生が「ほどほどにな」と告げて目線をそらした。ほどほどにするかどうかは俺の気分次第な気がするけれど。りょーかいとまた告げて職員室を出た。まあ、夕飯買ってる途中に引っかかるだろう。


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