おねショタ(概念)みたいな柱になった私の話 | ナノ


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刃こぼれした。真面目に刃こぼれした。上弦の陸との戦いで酷使してしまったせいか私の日輪刀は刃先がボロつき、実戦不可能まで追いやられた。本来なら刀鍛冶師たちが住む里へと出向いて頭を下げるくらいには打ち直すなり作ってもらうなりしなければいけないのだけれど…




『里へ…?ああ、それはダメだよ』
『え、なんでですか御館様』
『無一郎が行ってるし、何より子供を攫ってきそうだからね』
『……御館様、私たちはきっとすれちがいをしてると思うのです。私の年齢ご存知ですか?』
『17歳だね、けれど、その歳でもやはり、10の子供を誘惑するのは犯罪だよ』
『無罪ですっ!!』
『昨日も子供たちから聞いたんだけれど、君が7ついくかいかないかの幼女を胸に収めて甘味屋にいたそうだね。』
『迷子になっていたので、お団子を食べながら道行く人を見てただけですよ』
『娘が言うんだよ。最近よくね、『鏡柱様がこちらをジッと見つめてきます』と』
『見るでしょう、御館様のご子息ご息女ですよ。奥方様に似て可愛らしく………ハッ!』




スッと御館様が私からご息女二人を遠ざけた。
先程までじりじり近寄ってきていたご息女二人もそっと音を立てず私から離れた

思わず崩れ落ちる。畳に伏して泣いた。一度でいいから頭を撫でさせてほしいだけなのにっ!!ご子息の方がおろおろとしながらこちらに手を伸ばし、奥方に抱き込まれ、下がっていく。この世は地獄です。




『里に行くことは許さないけれど、炭治郎が刀を取りに行くらしいからね、頼んでみてはどうかな?』




最後の最後で救済措置をくれる御館様が好きだ。だからこそきょろきょろと蝶屋敷を見回りながら竈門君を探す。最後に会ったのは大破してからなのでそんなに時間は経ってない。きしりと音が鳴る木造建築の廊下を歩いていれば、息を吸い込む音と瓢箪が割れるような音。音の方へと顔を出せばいまだに包帯を巻いた竈門君がいた




「あ、いたいた。竈門君」
「!!?あ、はいっ!て、鏡柱の…」
「そ、自己紹介するのは何気に初めてだよね。改めまして、鏡の呼吸の使い手、鏡柱の藤野 鏡子ですよろしくね」
「俺は―――」
「竈門炭治郎くん。知ってるよ。柱だからね」




慌てて口を開こうとする彼の唇を人差し指で押さえてにっこりと微笑む。瞬間にぼふっと音を立てて顔を赤くした彼が腰を床に着けてこちらを見上げた。……胸枕を袖にした少年におねショタ(概念)の微笑みは効くらしい。まあ、そんなことはどうでもいいや。腰に差す日輪刀を彼に握らせて




「ごめん、刀鍛冶の里に行くと聞いてね。コレ、持って行ってくれないかな」
「え、あ、はい。構いませんけど、藤野さんは行かれないんですか?」
「御館様に待機命令出されたからね」
「そ、そうなんですね、やっぱり柱となると…」
「いや、多分いたいけな幼子を誘拐すると思われてるからだよ」
「え…、あー、あぁ…」
「納得しないで」




一瞬だけこちらを覗き込み、訳知り顔で頷いた少年に頭を抑えれば「すみません!!」と叫ばれた。慣れてるからいいよ




「あえて言うけど、私、君とそんなに年齢変わらないから」
「ええ!?」
「反応素直な子だなぁ。私、これでも17だよ?」




凝視された。わかるこんな顔っていうか、身体つきっていうか、雰囲気の十代って見ないよね。私も逆の立場ならそんな反応する




「聞くけど、いくつに見えた?」
「いえ、多くても24、25に…」
「………」
「すみません!!失礼ですよねっ!」
「そうだね」
「でも見えます!」
「そっかぁ〜〜」




若くても22位ってことね。そりゃあ、幼児趣味に見えるわな。でも伊黒も私の事ペド野郎って思ってるよな。ふっと遠くを見て笑いながら胸を持ち上げる。サラトガの服って滅茶苦茶着用しやすいけど、やっぱり胸が強調される作りだよね……。ぶれないなぁ、あのゲスメガネ




「あのっ!」




遠くを見つめていた私にどこか真剣みを帯びた表情で竈門君が声を掛ける。それに反応して見下ろせば、すこしだけ瓢箪を弄りつつ、竈門君がうろうろと視線をさ迷わせた




「?」
「俺、遊廓の時……」




徐々に赤くなる顔にその原因を知る。

その様子に私は肩をすくめてその頭を撫でた。そういえば思いっきりパンパカパーンってしてたな。胸も足も腰も腹も。




「気にしなくていいよ、たまにあるんだ」
「たまにあるんですか…」
「うん」




そしてそのたびに隊服が変わるんだ。基本的に露出が激しい系に。初代は香取さんで…、




















おや…??もしかして私のおねショタ(概念IN鬼殺隊)の発祥はゲスメガネでは…??














嫌な答えにたどり着いてしまった。思わずスンっと真顔になってしまった私に竈門君が渡した日輪刀を握りながら伺いの目で見てくる。ううん、君は悪くないんだよ。悪いのはゲスメガネ種前田っていう隠だから。とりあえず日輪刀よろしくね。


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