おねショタ(概念)みたいな柱になった私の話 | ナノ


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瞬間部屋に激震が走った。驚いたような表情で固まる男ども、笑顔で固まるしのぶ。私は目の前にあるお茶に手を伸ばしながら続ける。正直まだ処女でもいいと思ってるのだ、だって17だよ?この時代じゃ行き遅れかもしれないけれど、17だよ??現代なら早い子はもう散ってるかもしれないけれど、十代だよ私。気にしてないけど、っと伝えようと口を開いた瞬間、錆兎が肩を掴み、言い放つ




『お前、…それは犯罪だぞ』
『なんて???』




なんでいきなり犯罪者にされたんだ私は。意図が分からず顔を顰めながら見上げれば、やけに必死そうな顔をして、錆兎が叫ぶように言う





『おまえ、流石にいたいけな幼子で捨てるのは…、その発想は犯罪だぞっ…!!』
『いきなり失礼なことぶっこんで来たなお前』




みしっと嫌な音を立てて茶の湯にひびが入る。え、わたしがショタレイプするとでも思ってんのか殺すぞこの兎。おねショタ(概念)の容姿をしてるとは言えその発想はなかった、思わず助けを求めるように周りを見るが全員顔を覆うか空を見上げている。うっそだろ、全員その発想に行きついたの。全員発想最先端すぎだろ。




『そもそも、私は幼児趣味じゃないってば』
『先日、千寿郎から聞いたが、君、竈門少年と我妻少年に膝枕をしていたらしいな…』
『あれもショタ判定なのうっそだろ!?』




二歳しか違わないのにッ!?




『この際だ、……(被害を出す前に)俺で卒業するのはどうだ』
『いや、義勇で卒業するのはちょっと…』
『時透離れろ!!こいつはお前を狙ってるぞ!!』
『いい加減にしないと切り刻むからね宇髄。躊躇ないよ私』




お前に関しては本当に躊躇なく切り刻むからね。不死川にも容赦する気ないけど、お前だけは絶対に切り刻むかからね。いまだにお館様のご子息ご息女と目があえばすすっと下がられるのは私です。まってぽんぽんしたい。お姉さんの魅惑の太ももにご案内したい。だめだ、この発想がダメなんだ。でもショタコンでもロリコンでもないよ。たとえそうだったとしてもイエスロリショタノータッチっていうのちゃんと弁えるよ???

此方を悲鳴嶼の後ろに隠れながら見つめる時透くんと目が合った。

その瞬間、ばっ!っという効果音と共に煉獄が私の前に立つ。




『犯罪だぞ!!』
『なんで?』
『存在がすでに犯罪なのにな』
『不死川って私に親でも殺されたっけ?ねえ??』




私へのヘイトがやけに高くないですか?










柱共の様子を思い出しながら私はそっと額を抑えて、伸ばすようにほぐす。やめろ、思い出したらまた、殺意と頭の痛みにうなされるだろう学習するんだ私。いまだ正座をしてる色男を見つめつつ、声を掛けた




「それで、情報は集まったのかな?」
「ああ、あらかたな、鬼がいる遊郭を三つに絞れたぜ」
「それは上々。ここはどう?」
「ここはちげぇよ。撤退だ。」
「了解」




コクリと頷きながら、私は自分の荷物に目を通す。ほとんど客からの贈り物しかないし、この界幕において、遊女の足抜けなぞ珍しくもない。見つかるか見つからないかはともかくとして、私は今、顔を化粧で大幅に変えている。まあ、どうあがいてもどう弄っても垂れ目系のおねショタっぽい黒髪のお姉さんになったのだが…。業が深いな私の顔。

再度ダメ息を着きつつ、滅の文字が入った服に腕を通し、押し入れにしまっていた刀を腰に戻す。白銀色の刀。色変わりの刀のくせに、染まり始めたなって思ったら白銀になったからね。お師匠様は大爆笑してたけどさ。




「さて、と。行きますか」




窓の淵に手をかけて、下に人がいないのを確認し、屋根の上へと登る。瓦の上を歩くのは少し苦手だが、まあ、できないというわけでもないし。そうこうしてると途中で女装した竈門君に会った。なんで??なんで君女装して遊郭というか花街にいるのかな??隣に居た子にも少し話を聞くと、しのぶ宅の子供を攫おうとしたところに遭遇したらしい。それで自分たちが変わりに来た、と。なるほど。宇髄、お前の方が立派に犯罪者してるじゃないか。いつもいつも私を幼児趣味だの変態だの言ってる割には自分もそういう行為をしてるじゃないか。芽生える殺意の波動に息を荒らげつつ、笑顔で「お姉さんがあの糞神を天界(地獄)に返しておくから、君たちは潜伏先に戻りなさい」といえば、いつの間にか後ろにいた忍に足蹴りを食らわせれば叫ばれた




「俺は嫁を助けたいがためにいくつもの判断を間違えた。」
「そうだね、私に報告なかったもんね。だけどさ、それだけであの子が死んだとはんだするのは早計だよ。それに、鬼の特徴ってわかってるじゃん。」
「……藤野…」
「この遊郭の鬼は【美人】しか食べない。男である彼が食べられたという保証はない。そもそも、鬼が人を喰ったならこの夜の街で噂にならないはずない。どっかに血痕がないなんておかしいからね。」
「で、でも!俺の遭遇した鬼の中に沼の鬼が居ました!自分の領域に人間を引きずり込んで喰らう鬼が居ました!」
「美人とか綺麗どころに括る鬼が自分の領域に人の骨まで放置するわけないと思うよ。どっかに捨ておくはず。その中にいまだ男の骨はないからね。まあ、骨まで貪り食う鬼ならわからないけど消息を絶ってそれほど時間はかかってないはずだし、生きてる可能性の方が高いんじゃないの。行方不明になったの列車の時、私が膝枕してた欲望に忠実な彼でしょ」
「あ、はい、その節は本当に…」
「いや、私の膝が魅力的なのはわかるからいいよ。」




本当に魅力的だと思う。何より絶対領域とガーターの組み合わせって最強じゃない??何度も君の所の兄弟子たちがガーターに指を挟んで怪しげな手つきで撫でてから覚えてるよ。摘まみだしたけど。散々人を幼女趣味と宣いながらセクハラをする度胸は尊敬する。真菰に言いつけたけど。真菰ちゃん胸派だよね。たまにぱふぱふいてくるし。女の子なので大歓迎なんだけどな、そのたび水柱組に取られるけど




『おまえっ…!』
『やめろ!真菰は幼く見えるかもしれないが俺たちより年上でお前の好み(年齢)から外れてる!!そういう年じゃないんだっ!!』
『錆兎…???(怒り)』




どうでもいいけど女の子相手に年の話するのは良くないと思うよ私。案の定、錆兎と義勇は真菰ちゃんにコロコロ()されて私の胸の中に戻ってきた。『いやされるー』って言いながら胸に顔を埋めるそのメンタルの強さに憧れる。二人がぼそっと『挟まれたい』『わかる』という会話をしていたのを聞いて真菰ちゃんの目が人間を見る目じゃなくなってたの草。でも私も挟まれたい。こんだけよい胸を褒めたたえないってある意味罪では???鬼殺の男性陣ってさ、ある意味欲望に忠実なのと無関心に分かれるよね。前者が圧倒的多数だけど。わかりみ〜〜。だっておねショタ(概念)だもん私。身体つきエロいよね。




「あ、あの、藤野さん…?どうして藤野さんはそう、遊郭に詳しいんですか…?こう、内部事情とか」
「………」




竈門君の純粋な質問に思わず目が死んだ。だって私の客って良くも悪くも性格いうか性癖に癖があるというか、そういうやつに限ってめちゃくちゃ情報戦便利だったりする。つまりそういう理由。言えない。いたいけな少年に『私って遊郭に潜入してたんだけど、その時のマザコンこじらせるオギャリまくってた客がめちゃくちゃお偉いさんで情報戦に強かったの☆』なんて言えない。なんて説明したらごまかせるんだろう。キュッと横で口を引き結んだ宇髄も同じことを思ったのか目を背けた。気まずい雰囲気が流れる。















・・・どうする!?柱組――――――☆



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