俺鬼番外編 | ナノ


▼ 兵士×捕虜の錆兎×酒呑

元ネタ

あなたは5時間以内に6RTされたら、兵士×捕虜の設定で前世の記憶を持ったふたりが再会する話の酒呑童子の、漫画または小説を書きます。















「酒村ぁ!!!」




遠くで同期の叫び声が聞こえた。耳元近くで鳴った大きな爆発音と熱風に身体を飛ばされる。鋭い痛みが肩に走って、俺は意識を失った。




その瞬間に思い出す。それは俗にいう、前世の記憶だった。




俺は神で、鬼で、愛おしい、守るべき一族がいて、……・やべぇ奴に追い回されていた記憶。けれど充実した、楽しかった記憶だ。最後の最後で俺は、自分の神威や妖としての力を行使し、本来ならば死ぬべき人間たちを救ってしまった、神とはいえそんなことをしてしまった俺は大罪神で、お叱りの元、今までの記憶をすべて消し、もう一度人生をやり直させられている。それが今。この世界では絶えず争いが勃発していた。文明はとても高度なのに、各地のテリトリーに分かれて領土を奪い合う。殺し合い。それはその一つのテリトリー側の人間で、作戦司令塔的な役割を担ってたと思う。戦えはするけれど、頭脳戦のほうが得意だったのだ。ああ、そうだ、俺たちの地区の代表は炭治郎、炭の子だ、なんで忘れてたんだろう。あんなに悲しく笑っていた。早く目を覚まして、抱きしめて、そして、謝らないと…。

手をさまよわせ、触り心地の良いシーツに触れる。その手を誰かが恋人にするように絡めとって、愛おしそうに撫でられた。誰だろう。

うっすらと目を開ければ、知らない部屋だ。飾り気のない部屋だが、広く、ところどころにおいてある調度品は華美ではないものの、ひどく値のあるモノばかり。ここは、どこだろうか




「……?」




握られた手から伝わる人の体温は暖かい。けれど、どうしてだろうか、どこかで、どこかで感じたことのある気がする体温だ。どこか、肝の冷えるソレに、俺はいまだ呆然としていた。




「起きたか、酒呑童子」
「―――ッ!!」




握られた手を払うのと、状況を察知して相手に押し倒されるのは同時だった


身体が沈む。もがく腕も、蹴飛ばすために上げた脚も、すべてを封じ込まれて目の前の男は笑い、前世と同じく傷のあるソレを目にしたとき、身体が固まる




「さ、びとっ」
「久しいな。思い出したか」




楽し気に緩められた口元から吐かれる声音は酷く甘い。抱えられていた脚が解放され、俺の耳元に置かれた手の重さにほんの少しだけ、ベットが沈んだ。




「俺は最初から覚えていたが、お前は本当にダメだな。今の今まで忘れていたんだろう」
「―――っぅ…!」
「こんな傷をこさえて…、炭治郎が知れば怒るな、いやまあ、お前を捕らえた時点で烈火のごとく怒ってはいるだろうが」




喉を鳴らし、処置が施されていた傷口を強くつかまれて、か細く悲鳴を上げれば、機嫌よさそうに目を細めて、錆兎が鎖を手繰り寄せる。
痛みに対してじんわりと染み出る血の気配。それがなぜだか恐ろしい。前世では散々血を流した身だったが、この体は、流せば流す分だけ命に関わる




「前と違って、お前は脆い。だから、――――仕舞ってしまおうなぁ」
「俺を、どうするつもりだ、今は敵同士だろう。匿って、お前の身が無事で済むとでも?錆兎」
「俺や炭治郎のことは覚えてても、義勇のことは忘れたのか?この地区の代表は義勇だ。覚えてるだろ、酒呑」




やさしい声だ。

だが、欲に濡れた声だ。

たまに、本当にたまに、俺たちの地区の代表である炭治郎が、記憶のない俺に放つ声のように、甘くて、どろどろしてて、絡めとってしまおうとする声音。
誰にでもやさしい彼だから、俺にも気をかけてくれるのだと、部屋に呼び出され、何度も軽い【戯れ】を重ねながら思った。でも違う、コレも、アレも、元をたどれば同じモノーーー。




『気持ちいいか?…よかった。でも、あなたのここは、まだ使わない。もっと、もっと俺におぼれて、俺を、おもいだして、酒呑様』




誰だと思った、でも、そうだ、俺だよ。

うわ…どっちにも、どっちにも戻りたくねぇな…????




「すぐにでも。攫ってしまいたい気持ちを我慢したんだ。酒呑。酒呑童子。だからお前も少しは我慢してくれ。俺に、好きにされることを」
「ふざけんな。俺に男色の趣味はない」
「知っているさ。でもずいぶん、炭治郎に可愛がられたようだな?」
「―――っ、あく、しゅみ」




記憶のなかった俺を忍ばせていた諜報員で監視させていたに違いない。意味ありげに撫で上げられた腹の。女で言う胎の部分を押し上げて、笑う




「この腹にまだ、胤を仕込ませろとは言わない。その役目は先に義勇に譲るさ。……幸い、仕込まれても無いみたいだしな。だが、それ以外はすべて俺が最初にもらう。」




――――夜は存外長い。楽しもうか、酒呑童子


服を緩め、上着を投げ捨てた錆兎の腕に囲われる。最後に見た光景は、窓越しに浮かぶ月と、どこか遠くで燃える火の光が、夜空を照らす光景だった。




















「酒呑様が…?」




その声音に、報告をした人間は大げさに肩を震わせた。
いつも陽だまりのように暖かな男から放たれたそれは酷く冷たい。

赫灼と、古来より呼ばれるその瞳が細められ、冷たく光り、男を見据えた




「それで、酒村さんは生きてるのか?」
「は、はい、諜報員からの連絡によれば、敵の総大将が処置を施した後、どこかへ連れて行ったと」
「錆兎が、か」




――――こうなるなら大切に仕舞っておかないといけなかったかな




「は…?」
「何でもない。報告ありがとうございます。下がっていいですよ」




聞こえてきた無機質な声音に思わず言葉を返せば、何事もなかったかのように話を切られ、下がれと命じられる。その言葉に何か言う前に、扉が閉まった。
自動で閉じた扉を無感情に見つめ、その瞳ほのかな苛立ちを乗せたまま、炭治郎は考える




「どうやったら、酒呑様を助けることが…。いいや、助け出すことはできる。問題はそのあとだな」




どうやって、あの自由な人を、この手から離れぬようにしようか。



情人にいは到底理解できぬ思考を巡らせながら、炭治郎は横に置いてあった無線を手に取って、知古の友人に話しかけた




「ああ、すまない善逸。すこし、頼みがあるんだ」









世界線↓

現代より少し未来の設定。科学技術・医療とともに発達したが何が起こったのか、テリトリー(地区)に分かれ生活をしている。その中で地区同士の戦争が起こっている設定。なお安息地と呼ばれる地区が存在しているぞ


この話では大まかに


かまぼこ隊が統治する地区
水の呼吸組が統治する地区
その他ほかの柱が派閥ごとに収める地区
花の呼吸組が収める安息地等に分かれる



主人公 かまぼこ隊が統治する地区の司令塔的な役割
錆兎 義勇が統治する地区の総大将
竈門炭治郎 かまぼこ隊が統治する地区の代表


的な設定



prev / next
目次に戻る









夢置き場///トップページ
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -