何のために塩対応してると思っているんですか? | ナノ


▼ 2

「はぁ、マジでどうなってんですかねこの町、子供は好き勝手に事件現場を歩き回り、刑事は医師を呼ばずに容疑者を絞って、規制線も張らず。自宅警備員の俺にはわかんないです」
「元警察官にわからないことが作家である私にわかるわけないでしょ」
「その話詳しく聞かせてもらっても?」
「すみません馴れ馴れしいんで話しかけないでもらえます?」




人がいないポアロのカウンターで昼食を摂る私と後輩Bの会話に店員が話しかけてきたのでバッサリと切り捨てる。横では後輩が乾いた笑い声をこぼし、店員はショックを受けたように「…サービスのコーヒーです」とカップを置いた。




「わ、わざわざ人が少ない時間帯に来てるんですから僕と会話してくれてもいいと思うんです…」
「話しかけないでください」
「先輩ッ」
「セクハラですか」
「違います!僕はただ先輩と数年ぶりの交友をですね!」
「やめてください」
「くッ、なんでこいつは良くて俺はだめなんだ!」
「店員さんよ地が出てるぞ」




悔し涙に滲ませる小中高の後輩Aを眺めつつ入れたてのコーヒーを口に含める、うん、うまい。
満足げに頷く私に、涙をにじませた後輩Aは詰め寄り、私の手を取った




「先輩は、僕が嫌いですか…?」




潤んだ瞳に何やらちらつく炎を見つめ返しつつ、手を握られたまま私は―――




「いや、嫌いじゃないけれど多分生理的に無理だわごめん」
「嫌いよりひどいってどういうことですか!!?」
「振られたwww」
「うるさい!生理的って、そんな、僕の何が不満ですか!?料理も顔も収入も性格だってそこらの男よりいいんですよ!?」
「立ち位置」
「立ち位置!!??」




マジでどういうことだよと困惑する後輩Aには悪いけれど君が原作キャラであるという事実ですでにマイナス10000ポイントなので挽回は無理だと思ってほしい。そんな事より手を放してほしいな。事件に巻きまれる確率増える気がするからさ




「うげ…」
「…」
「あ、あの時の」
「コナン君?」




チリンとなるベルの音に顔を向ければこの世界の主人公、
ココは今から殺人現場になるんですかね?

思わず顔を顰めて、私は席を立ちあがると樋口さんをその場に置いて扉に手をかける




「あの!おつり!」
「あげる。いらないし」
「僕もいりませんよ!?」
「後輩B」
「はいはい」
「お小遣いだ」
「すいません、俺もいらないです」
「お客さまっ!!?」









―――――結局押し付けられた








prev / next
目次に戻る










夢置き場///トップページ
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -