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「なにこれ」
明らかに「私を見て!」といわんばかりに置いてある紙袋を手に持つと、カチ,カチという怪しい音に、私は何も考えず萩原君の召喚を決めた。ここは米花町。これは爆弾OK?
電話をすればいつもと違い5コールで出た、いつも2コールで出るので珍しい。
「沙紀さんすみません、今、立て込んでて…」
「そう言いながら電話で出てくれる君が好きだよ」
「ありがとうございます!」
「で、本題ね、爆弾があるの、手元に、萩原君でなくてもいいから人まわしてくれると助かる。えっと、米花中央病院ってとこ」
「…やっぱり幸運の女神は女神だった…!」
「君はたまに日本語喋らなくなる子だね」
俺が来ます!と元気よく返事をした彼に「そう」と、少しだけ引き気味の声を出し、それを地面にゆっくりおいて、触らないようにする。
不用意に触ってしまった自分に、内心頭を抱えて、家に電話した
『はいもしもし』
「ごめん、爆弾触っちゃったわ」
『あなたは一体何を言ってるんだ(困惑)』
昔拾った後輩に電話をして事の詳細をつたえれば電話越しに頭を抱えているのが伺る。
いや、本当に不可抗力なんだよね。電話が終わった後、すぐに駆け付けた萩原君によって爆弾は解体された。
「助かりました沙紀さん。ありがとうございます」
「こちらこそありがとう。私、袋に触っちゃってて、ごめん」
「いえいえ、触っていることはきちんと報告書に書いておきますから大丈夫です!」
沙紀さんが犯人になることはないと思います。
断言してくれる君が素敵だと思った。少しだけときめいたよ。うん。
というか、この人、なんで私を見るたびにそんなに笑顔なんだろう。ちょっと怖い。引く
そう言えば初対面の時も笑顔だったな、後ろで特撮映画よろしくビルが爆発したのに。私彼を張っ倒したのに。
やめよう、これ以上なにも考えないほうがいいと思う。ところで私、彼をアニメで見たことないんだけど、彼ってもしかしてあの、その、アニメキャラだったりするのだろうか
そこが一番大切。
だって明らかに爆弾処理班とか顔とか声とかなんかモブじゃない気がするのです!うん!!
まあいいか。
彼はある意味いいネタ要因だしこのままお付き合いを是非とも続けさせていただきたい。
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