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お姉さん感心するわぁ。

そう言いながら頭を撫でると、気恥ずかしかったのかそれとも腹正しかったのか頬を膨らませて「俺はこどもじゃない」と言い返してくる。いやいや、私から見たら十分子供。というかその背丈で何を言ってるのかしらこの子…。

でも可愛い。

さすが将来英霊になる子供。可愛い
でも見た目的に推測するなら名前はアーラシュかな?




「少年名前は?」
「名前…?俺はーーー」
「―――?アーラシュとかじゃないの?」
「あーらしゅ?それは弓兵って意味だぞ?」
「へえ…」




ロビンフッドみたいなものなのかもしれない
けれど私はアーラシュの活躍する英雄草がどんなものかを知らない

ポケットに入れたスマホから歴史書のアプリをタップして『アーラシュ』『イラン神話』と検索してみるもの【該当ありません】という文字。…いや、FGOに出て来たってことは英雄さんよね?どういうことなの、教えてWikip〇dia先生。……って、そのWikip〇dia先生が分かりませんって言ってんだから、無理か。

日本では知名度がない英雄なのかもしれない。そう、あのクー・フーリンみたいに。

だけどクー・フーリンはWikip〇dia先生知ってたしな…。
どんだけマイナーな英霊なのアーラシュ…。

今のところ彼の情報として知っているのは彼の宝具。そう、あの机上の理論をするならば無限に【ステラ】が撃てる……はず!とかさんざん2ちゃんで言われていた彼の物騒な宝具である。

あれってなんで自己犠牲前提の宝具なんだろうか、いや、英雄の生涯が昇華されたものが宝具だから、大きなヒントだと思うんだけど…。




「…?」
「……っは!だめだめ、このままじゃただの誘拐犯だ、はやく家に霊草置いてお父さんとお母さんの所に返しに行かねば」
「…いや、今日は父さんも母さんも家に居ないから、帰されても…」
「さすがに日本人として君をそのまま保護するのもね、お縄につくのやだし」
「人さらいなんて今どき珍しくないだろ?俺は気にしないぞ?」
「爽やかな笑顔で何言ってんのかなこの子は、というか、この場合攫われるの君だよ?」
「お、そういえばそうだなぁ…、困った」
「全然困ってなさそうな笑み!」




何この子、相手にするのめちゃくちゃ疲れるんですけど…。

それどころか頬を染めてちょっと期待した眼差しをこちらに向ける。やめなさい。

霊草を家において、彼を結界の外に運び、近くの村へと運べば焦ったようにこちらに駆け寄る男女に「森で迷っていたようだから」と話せば突然跪いて泣きだした


―――何事!!?




「ありがとうございますっ、ありがとうございますっ…!もう見つからないものかとっ…!隣村の用事が終わり帰ってみれば息子が居なくて、どれほど胸を締め付けられたかっ!――――森の、森の賢者様に守っていただけていたなんて!」
「ん…?」




んんん??




「一年の間息子を預かっていただきありがとうございます…!」
「い、いちね、ん?」
「貴方様の噂は聞き及んでおります。森の賢者様。」




頭が痛くなった。

一年とは?森の賢者とは??帰ったらマーリンに聞こう。

腕の中に居たアーラシュを両親に押し付けて私は我が家へと足を運び、寝た










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bkm






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