自分の見た目がようやく小学生になるころ、お姉さまとファラオに待望の子供ができた。感動したように抱き上げるファラオを見上げればモーセが私を抱き上げて、小さな男の子の顔をのぞかせた。…将来、立派な美少年になりそうな子供です
「ふふっ、これでティアもお姉さんね」
「うむ。よくぞ産み落としたな、余の愛妃よ」
「まぁ、ラーメス…、あなたがいたから、頑張れました」
「ははは、ティア耳をふさぎなさい。僕は目を塞いであげるからね」
一気にラブモードになった二人からかばう様に距離を取って目を塞がれたので耳をおとなしく塞いだ。モーセは魔術を使えるようで、もしもを危惧してか、私の耳にも術をかけた
何も聞こえない…。
解放されたのは十分ほど経ってからだ。
お姉さまの頬がちょっと紅くて、あ…(察し)ってなったよね。
そのあと小さな義弟を抱き上げるとふわっとミルクの香りがする
「ティア、ティア」
「姉さま…?」
「こちらに来るがいいモラブティア」
「ファラオ…?」
首を傾げて二人の元へと歩みよれば、先ほどモーセがやっていたようにファラオは私を抱き上げると膝の上に乗せた。落とさないように腕の中にいる赤子をぎゅっと抱きしめると、何を勘違いしたのかファラオと姉さまが声をあげて笑う
「ふふっ、取り上げないわよ」
「ほんとに愛い奴だな、許す、特に許すぞ」
「落ちそうになったから抱きしめただけですよ」
「照れ隠しか?まぁ、余は寛大だからな、存分に隠すといい」
むぅっと頬を膨らませれば二人が頬をつついたり伸ばしたりするのだから、困ったものだ
…ちなみにこのやり取り、あと四回ほど繰り返すこととなる。