「へ、ネフェルタリ様はラムセス様に嫁ぐのですか…」
「もうぅ!お姉さまでしょ!…そう、私ラーメス様に嫁ぐの…御年23歳で…、あら…?嫌だわ気を付けて、手を傷つけたらどうするの」
思わず手に持っていた水を入れたツボを落してしまった。運がいいことに割れなかったけれどネフェルタリ様に心配をかけてしまったようだ。
いや、それはどうでもいい、いや、よくないかもしれないけど
なんて??ネフェルタリ様なんて??
今次期ファラオ(別名ラムセスと言うらしい)の御年23って言った??
ネフェルタリ様が14歳でファラオ23??
現代だったら捕まってますわ…
中学生に手を出す成人男性
アウトですね。
字面的にアウトですね。モラルとか気持ちとかそういう問題じゃない気がするけど、この時代なら40のおっさんに10歳の子が嫁ぐのも普通らしいけど…
「良かった、零れてないわね。まったく水は貴重なのよ?」
「あ、ごめんなさい、お姉さま」
「…うぅ、こういうときばっかりお姉さまって言って…!」
ずるいわと言って照れたように笑う美少女。マジで目の保養。でもちょっとチョロ過ぎてお姉さん心配です
そんな事を考えて日々過ごしていると、とうとうお姉さまの輿入れの日が決まった
なんとラムセス様がファラオに就任するその日に正妃として迎えられるらしい。
ちなみにラムセスと言う名前は彼がファラオになった時の名前でギリシャ語読みでオジマンディアスと言うらしい。めっちゃ聞いたことある。
嬉しそうに贈られた花束を持ち笑うネフェルタリお姉さま。
そろそろ人にお姉さまと言わせる癖を直さないとな、本人の許可を得ているとはいえさすがに王妃様には不敬だろう
そう思って彼女に進言した瞬間、素早い動作で抱き上げられた
「誰です?そんなことを言ったのは」
「何でもないですお姉さま」
目が据わってて怖いですお姉さま
ほんとに?ほんとに誰にも言われてませんか?意地悪されてないのね?と何度も確認され、私はひたすらに首を縦に振ることしかできなかった。
ヘタに名前を出した瞬間になんか、怖いことになりそう。