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マーリンが魔術を使い分けるようになった今日この頃。私は空を飛んでいた


…いや、なんかどっかの国の王女様が婿選びのために大会催すらしいから除きに行く途中なだけである。

あと付け加えるならアルジュナとカルナが参加すると聞いて影から除きに来たという方が正しいのかもしれない。成長した二人の姿を見ようと人ごみに揉まれることなく、優雅に空中で観戦

流石に二人に見つかるとヤバいから隠れるっていう配慮はしているけれど…

ていうか、王女様アルジュナしか見てなくない?アルジュナが勝つって疑わない眼差しってどうよ、他の参加者可哀想なんだけど
そしてアルジュナは優しげな微笑みで返すなよ、萎えるから、絶対会場の選手萎えるから。自分たちが当て馬だと話さずともオーラが全てを物語ってるから。そんなに結婚したんなら国同士の話し合いでやれよ。

気分を悪くしながら彼らの試合の行く末を見守っていればカルナが優勝した



すごいやカルナ強くなったんだね。ところでそんな女が欲しいの?なんか身分云々言ってるけど。あ、女が多泣き崩れて身分が低い者の所に嫁ぐの嫌と言い出した。えぇー王様もそれに乗っちゃう?自分から始めたことなのにそれに乗っちゃう…?

心なしか勝ったというのに賛辞の一つももらえないさび祖そうなカルナが可哀想になり、アルジュナとカルナ、二人がそろっていることなど忘れて地表近くまで下がってカルナの頭を後ろから軽く混ぜるように撫でた

わずかに固まったカルナの身体
それに気づいて私は囁いた



「後ろを向いちゃだめだよカルナ。そしたら逃げるからね?…ほんとは関わるつもりなかったけど今日は特別。…カルナ、強くなったんだね。かっこよかったよ」



凄いね、偉いね、頑張ったねと昔、勉強していたカルナを褒めたときのように笑みをこぼしながら。
彼の表情は分からないけれど少しだけ不貞腐れているのが分かって笑ってしまう


「なぜ、会いに来てくれなかった」
「ちょっと寝ようって思ったら数年立っててね」
「嘘だな」
「秘密」



一発で疑うそぶりもせずに即答した彼はやはりまだまだ子供の様で愛おしい
うん、この考えが老人臭い名っていうのは何となく自分でも自覚しているから突っ込まないでほしい。
まだ娘もいないし息子もいないが孫のように思ってしまう
そっと頭から手を外してアルジュナの方へと視線を投げれば驚いたようにこちらを凝視する彼と目が合う。けれど彼は人に囲まれてこちらに歩み寄ることはないだろう

そわそわとした空気を醸し出すカルナにもう一度目を向けてふわっと身体を浮かせる

そして彼らの手が届かないところまで浮き上がり声をかけた




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bkm






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